RUUさん (回路)、おきゃんさん(デザイン)、fixerさん(ボディ製作)の合作によるフルスクラッチな modです。 製作者たちの頭文字からROF-1と名付けられています。最終的に12本だけが世に配布され、 自分はその中の1本を手にすることができました。正式(完成)版のROF-1では配布に当たり希望があれば 個々にユーザーカスタマイズが施されることになり、自分のものは持ち込みのLuxeon-3W(bin#TX1K)、 モード順がNormal-Hi-Lo-ブリンク(S.O.S.)、出力をNormal-400mA、Hi-800mA、Lo-100mAでカスタマイズして いただいています。前回のプロトタイプ2 がほぼ最終プロトだったため併せてそちらも参照していただくということで、今回は主にプロトからの変更点 について書いてみます。 まずボディに関して大きな変更は無かったのですが、ランヤード取り付け穴が2穴化されました。 そのおかげでプロトではスイッチの内側に入ってきた「ヒモ」を外に出すことができるようになり、 スイッチを押した際にヒモが指に当たってなんとなく邪魔、なんてことも無くなりました。個人的には かなりよくなった気がします^^; 全体の造りはプロトから変わらず今までにないデザインで、 ヘッド周りに設けられた放熱フィンはROFシリーズの特徴として今後も採用されるようです。 KL3ほどゴツいデザインでは無く シンプル目にまとまっているので全体的にはなかなかいい雰囲気ですね。なお「説明書」によるとボディは T6061アルミ合金製で、自分のものはガンメタ色アルマイト仕上げです。 さてROF-1で最も熱いモード切替機能ですが、プロトの2モード(ブリンク入れると3モード)から3モード (ブリンク入れて4モード)に変更されました。これが非常にいい感じでモード分けされており、 Hi、Normal、Loそれぞれが特徴あるモードとなっているため使い分けがしやすそうです。 まずNormalモードは出力的には割と標準的なものなんですが、持ち込んだ3Wが当たりだったのかNormalで十分と思えるくらいにかなり明るく、 さらにランタイムもプロトよりも延び、総合的なバランス能力にかなり長けたモードとなりました。 また、マニア心をくすぐるHiモードはArc4でいうところのブーストに相当し、自分の設定ではNormal比2倍の 出力で光を放出します。もちろんかなりオーバードライブ(3W的には標準ですが^^;)になりますが、 電池や内部回路の負荷監視により一定値を超えると自動的にNormalモードに変更するという安全弁(*後述)がROF-1にはあるので、 壊れないやしないかなんてドキドキすることもなく何の気負いもなく照らしまくれます。 そしてLoモードは出力をかなり抑えて9時間以上一定の照度を保つという驚異のランタイムを叩き出しながらも、 その明るさは抑えきったものではなく十分外でも使える明るさになっています。これら3モードの使い分けにより、 外出の際にはこれ1本持っていけばあらゆる要求にオールマイティに応えてくれそうです。さらにはいざという時の ためにS.O.S.信号も発してくれますので至れり尽くせりの心強いものとなってます。なおランタイムテスト結果から見るに、 Hiモード1発でNormalモード2発分(変な表現ですが)のほぼ電流値どうりのランタイムを消費するようです。 Hiモード時にはE2に匹敵する(超えてしまってるかも)明るさを持ちますが、楽しむのもほどほどにしておかないといけません^^; (※ランタイムはLuxeonの性能にもかなり左右されます) これらモードの切り替えは全てテールスイッチで行います。カチッと押し込めばNormalモード、もう1度押し込んで 消灯、2秒以内にもう1度押し込めばHiモード、もう1度押し込んで消灯、2秒以内に・・・とNormal→Hi→Lo→ブリンクと モードが切り替わり、消灯した時に2秒以上経過してから点灯した場合には全てNormalから再スタートになります。 (※モード順はカスタマイズ可能でした) モード数が増えたこともあり、後ろのモードにたどり着くためにはけっこう カチカチやらなければならないのですが、ここもよく考えられてあって正式版では「ハーフプッシュ」という高速切替法が 搭載されました。点灯中、カチッと言わさずに"半押し"すると一瞬消灯し、次のモードに移行します。 こういうボタン1つでモード切替を行うタイプは長期に渡って使用する場合にスイッチ部分の劣化が気になってくるところ なんですが、ハーフプッシュがあるおかげでそういった点でも多少緩和されている気がします。 実際に使用するとこのハーフプッシュはなかなか使い勝手がよく、モード切替に成功するとアンサーバック(1回点滅)が 入ったりしてよく考えられているなあと感心しきりでした。 そしてROF-1では光学系が容易に交換可能な点も注目すべき所です。バネとネジ式ベゼル(保持リング)で微妙な焦点調整も行えることは プロトのところでも書きましたが、当然集光方法を載せ替えることも可能なわけで、今回は前回からバージョンアップしている 試作リフレクタとFraen-LPに交換したもので実際に照射した写真を載せてみました。試作リフレクタの方はまだ本当に試作段階 なので集光具合が微妙になっており今後の改良が期待されます^^; Fraen-LPにすると室内では超スポットで使えないような 気がするんですが、屋外で使ってみると意外なほど使え、30mmコリメータを使ったライトのような感じでむしろ好ましい感じです。 標準仕様のNX-05集光は至近距離から屋外までカバーするオールマイティな感じですね。これでリフレクタが完成していれば、 NX-05のオールマイティさをさらに強化したような感じになりそうです。照射パターンを見ていただければわかると思いますが、 Luxeonを集光する方法でそのライトの性格が決定づけられるところがあるので、個人の好みに応じて集光方法を容易に交換でき、 さらに微妙な調節も可能なROF-1方式は非常に良いです。今後このタイプのものが他からも出てくると嬉しいですね。 ROF-1はごくわずかな数しか製作されませんでしたが、その性能は素晴らしいものがあります。 "1"というだけあってROFシリーズとして今後も 魅力的なものが登場しそうで、実際某所でROFユーザによる活発な議論が行われており、既に後発案がいくつか 上がっていました。完全フルスクラッチのため今後配布があってもごく少数になると予想されますが、興味のある方は RUUさんのサイトを チェックしておいた方がいいかもしれません。楽しみです。 (04-02-16 一部修正) Hi→Normal自動切替について。 実際の仕組みとしては、バッテリー消耗による昇圧効率の悪化が一定値を下回ると自動で切り替わるようにプログラムされているそうです。 (04-02-16 追記) 遅ればせながら、以前からRUUさんにお譲りいただいていた新型試作リフレクタの照射写真を撮影、 上記照射写真の試作リフレクタの写真を新型に差し替えました。以前の初期型試作リフレクタに比べると アルミ蒸着メッキが施されたおかげで反射率が向上し、さらに形状もLuxeonのエミッタに合わせた 専用設計でより深いものになってます。その成果は照射写真に現れており、削除してしまいましたが 旧型の試作リフレクタよりもはるかに明るくなり、そして中心から外に向けてNX05よりも綺麗に明るさの 減衰が見られ、さらに照射範囲も若干広がるという好ましい配光となりました。 ただ、写真を見る限りでは中心の明るさはNX05にやや負けているような気がします。どちらを取るか 難しいところです^^; (05-02-22 追記)