SureFireのEシリーズを除くほとんどの2〜3セルライトに適合する1W-Luxeonのコンバージョンヘッドです。 このレビューは3セル仕様の9Pに付けたもので書かれていますのでご了承ください。 KL3が登場した頃、アメリカのイラク攻撃のせいでもの凄い品薄状態が続いたことは 今はもう昔に感じてしまいますが、当時はシュアが本当に軍用のものなんだなあと強く印象づけられたものでした。 当時の自分はKL3に適合するシュアを持っておらず、なんだかでかいとも聞いていおり、 なおかつ品薄で全然買えないということで全く興味がありませんでしたが、その後9Pを手に入れ、 KL3がとある店で5000円だったのを機についに買ってしまいました。 届いた箱を開けてみての第一印象は「うわっ、でかっ!」。ゴロンとしてます^^; これでヘッドだけだというのだから恐れ入ります。外観には「シュア、やりすぎだろ」と思えるほど 過剰なまでの放熱用のヒダもうねうねしており、この外観を前にして少々ビビりつつも1Wでは トップクラスの明るさを誇ると前々から聞いていたので嫌が上にも期待は高まりますが…。 さっそく9Pの標準ヘッドを外し取り付けましたが、取り付けの際には一つ注意が必要です。 必ずバッテリーを抜くか、またはテールスイッチをかなり緩めておきましょう。そうしないと ヘッドを締め込む時にKL3から飛び出している接点のバネがバッテリーにこすれながら回ることになり、 あらぬ所でショートを起こしかねません。 実はこれ実際に自分が経験してしまいまして、スイッチをONしても点灯せず、バッテリーが異常な 高熱を帯びるという状況になりましたので特に注意点として書いておきます^^; 取付の後照射してみましたが確かに明るいです。1W-LD+NX05なので照射パターン的にはArc-LS1のような ムラのない綺麗なパターンで、中央一点の超スポット的ではなく明るい部分がやや広いため、 一目見て明るいと感じやすい照射パターンです。KL3の場合はArc-LSに比べてややスポット化されているようで その分中心照度も増している気がします。その結果少なくともArc-LS1より明るい印象を受けました。 色合い的には自分のものは中心部がやや青っぽく、外に向かってだんだん白くなり、 最外周部が黄色っぽいという1W-LD+NX05にありがちな色合いでしたが、近距離ではかなり 白く感じるためまずまず満足です。総合的に見れば1Wの明るさとしては十分満足のいくものでしたが、 現在はGENTOSのSFシリーズを代表とするコストパフォーマンスに優れたLuxeonライトが台頭して来ているため、 明るさ面でのアドバンテージが昔ほど高くない気がするのは時の流れを感じさせます。 値段もそれほど安くないし、明るさも飛び抜けて最強というわけではないし、その上でかいと来たら 何もいいところが無いじゃないか!と思われるかもしれませんが、KL3には他のLuxeonライトにはない 大きなアドバンテージを持っており、その点では他の追随を許さないと思います。 それはランタイム。自分は9Pに合わせましたが、こういった3セル仕様のシュアに合わせた時には 6時間以上最初の光量を完全に維持するという素晴らしい性能を持っています。 確かに単1や単2を使って 10時間とか持つLuxeonライトもありますが、ランタイムと引き替えに重量と大きさを課せられ、 大抵のものはだらだらと暗くなっての10時間です。対してKL3+9Pであれば、ほどほどのサイズで その上点灯開始直後の明るさが6時間は保証されます。これは大きなアドバンテージだと思います。 しかもこれはリチウム電池を使っており、自然放電もほとんど無くアルカリのような液漏れの不安もありません。 長いランタイムと長期保存性、実用的な明るさに割とコンパクトな筐体。つまり災害時の持ち出し用や 車への常備ライトとしてこれほどうってつけのものは無いと思います。ただ、KL3のランタイムテストを 行った結果から一言。KL3は強(マックスアウトプット)、中(モデレートアウトプット)、 弱(ミニマムアウトプット)と3段階に明るさを変えて照射が続くらしいのですが、グラフのように 強の次はいきなり弱??というような結果になります。たぶんこれが中の状態なんでしょうね。 いったい弱がどこまで暗くなるのかは不明ですが、中状態に入ると明るさを維持せず次第に暗くなっていきますので、 ここまで来たらさっさとバッテリーを替えることをお勧めします。 さて外観を見ると、KL3を取り付けた9Pはけっこう格好いいです。9Pは大きいと思ってましたし、そこへ大きめの KL3を取り付けるわけなので全体としては割合大きな部類に入るライトになってしまうのですが、 なんだかとてもしっくりと来るこの佇まいにけっこうやられてしまいました^^; このいかにもシュアというゴツい容姿を何時間も連続で使えるという点もKL3から来るメリットですかね。 ゴツい容姿は明らかにヒダヒダから来ているわけなんですが、その外観も伊達ではなく、冷却効果が高いのか 温度上昇はほとんどありません。なお、この大きさはバッグに入れて持ち歩いたりする時には大きく 感じるのですが、使う際に手に持ってみるとこの大きさが意外にちょうどいいことに気づきます。 ガシッとしっかり持てるというか。そして9PにKL3を付けたサイズはSF-501と実はあまり変わらなかったりもします。 もっと大きいものだと思ってましたが比較してみると意外な感じでした。 ただ逆に言えば、KL3は非常に派手な外観なので人前で使うのを躊躇ってしまうかもしれません。 やたらに派手な外観の割には驚くべき明るさ!というわけではないですし…。 オオカミの皮をかぶった羊という本性を納得できるかどうかが買いかどうかの 分かれ目ではないでしょうか。自分はオオカミはオオカミで無いと気が済まないのでランタイムを捨ててでも 改造してもらおうかと思っていますが、裏に秘められた超実用ライトという側面を考えてしまうと 改造してしまうのがちょっと惜しい気がするのも事実だったりします^^; (03-10-27)