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RUU & おきゃん & fixer ROF-1 (プロトタイプ2)

本体写真

▼8.8cm
▼左:#1 右:#2 Arc-LS1(TSP123)と比較
▼CR123A*1込み93g

▼前面
▼後ろから
▼バッテリーはCR123A*1

▼スイッチ。ランヤード用の穴と溝付
▼ランヤード装着時
▼ヘッド、ボディ、テールと分かれる

▼ヘッドベゼルを外したところ
▼コリメータはネジ式リング+バネで固定


▼試作品のアルミリフレクタ
▼コリメータ用パーツ群と交換装着
▼簡単にリフレクタ仕様に

▼コリメータ保持用のパーツ構成
▼基盤もオリジナルですか?^^;
▼+ターミナルには金メッキ

▼RUUさんのオリジナルコンバータ
▼プロトタイプをお借りしてます
▼水没実験^^;

照射パターン変化 [室内約1.2m、ISO200、F2.8、シャッタースピード1/20固定]
※写真をクリックすると拡大します

▼保持リングをいっぱいまで締めた時
▼保持リングをけっこう緩めた時
▼リフレクタ(試作・失敗品だそうです^^;)

照射比較その1 Hiモード [屋外40m、ISO200、F2.8、シャッタースピード1/1.6固定] (照射比較のものです)
※写真をクリックすると40mの照射比較ページを別窓に開きます

▼ROF-1 #1 (Hi・400mA)
▼ROF-1 #2 (Hi・450mA)
▼Arc-LS1 Hybrid 500mA

▼Task-Light 3AA Luxeon
▼KL3 (+9P)
▼bin#S4L LEGEND 2AA

照射比較その2 Loモード [屋外20m、ISO200、F2.8、シャッタースピード1/1.6固定] (照射比較のものです)
※写真をクリックすると20mの照射比較ページを別窓に開きます

▼ROF-1 #1 (Lo・100mA)
▼ROF-1 #2 (Lo・70mA)
▼Micro-Illuminator

ランタイムテスト ※グラフをクリックすると詳細ページを別窓に開きます


照射写真 ※写真をクリックすると該当距離の照射比較ページを別窓に開きます

#1

▼室内1m (Hi・400mA)

▼屋外5m (Hi・400mA)

▼屋外10m (Hi・400mA)


▼屋外20m (Hi・400mA)

▼屋外40m (Hi・400mA)



▼室内1m (Lo・100mA)

▼屋外5m (Lo・100mA)

▼屋外10m (Lo・100mA)


▼屋外20m (Lo・100mA)




#2

▼室内1m (Hi・450mA)

▼屋外5m (Hi・450mA)

▼屋外10m (Hi・450mA)


▼屋外20m (Hi・450mA)

▼屋外40m (Hi・450mA)



▼室内1m (Lo・70mA)

▼屋外5m (Lo・70mA)

▼屋外10m (Lo・70mA)


▼屋外20m (Lo・70mA)




RUUさん、おきゃんさん、fixerさん3人の合作によるmodです。プロトタイプ2号をお借りしました。愛称は「ぷちセイバー」とのことです。 RUUさんのサイトで詳しい情報が見れます。

このmodは1W-Luxeon HD+NX-05コリメータというそれだけ聞くと今となっては何の変哲もないライトなのですが、 それ以外の部分があまりに凄すぎます。正直言ってRUUさん、この modは趣味の域を完全に超えてせんか?^^;

このライトの凄いところは完全オリジナルライトだというところです。ライトのデザイン、ボディ、DCコン等々全てがオリジナルです。 さらにシュアL1のような明るさ可変のモード切替まで付いており、もう完全に自分のツボに来ました^^;  もともとRUUさんは自分がまだこの世界に足を突っ込みきってるかどうかという昔から、ソリティアを自作DCコンを使って1AAAで 3LED化したり、自作DCコンで2AA ミニマグLuxeonを作ったりしていた方です。 自分の中では雲の上の存在のお人でありいつかその作品をいじってみたいというのもありましたので、今回正式版に向けて 喜んでいろいろいじらせていただきました(写真の水没実験は許可を得ています。と、一応ここで弁解を…)。

オリジナルデザインというだけあって今までに見たこともないライトです。 実はこのプロト2の前には当然プロト1があり、その頃のデザインを見た時は正直言ってあまりピンと来なかったのですが (すみません^^;)、プロト2のデザインでは曲線が加わったグラマラスなデザインでかなり目の引くものとなりました。 ボディ表面はツルツルです。外観だけ見た時はもっと滑るかな?と思ってましたが、ボディにあるくびれと平面部分のおかげで 意外にちゃんと保持できます。個人的には完全な滑り止めになるようにシュアのようなギザギザが欲しい気もしますが、 滑った時の保険にランヤードも取り付けできるためおおむね満足です。そしてヘッド周りにはヒダ状の溝がありかなり目を引きますが、 このヒダヒダはデザインだけでは無く、実際に長時間点灯テストを兼ねた 散歩に出かけた時にはランタイムテストにあるような温度上昇は微塵も感じなかったので、実際これによる空冷効果は十分高いと思います。

テールにはプッシュ式のスイッチがあり、これも気に入りました。押し応えはArc-LSのTSPスイッチよりやや軽い感じですが、 ボディがスイッチを包み込むようになっているので持ち運び時の誤点灯防止はほぼ完璧です。それでいてスイッチを押す時の 邪魔にはなっておらず、その上ツライチになっているためテール側での倒立も可能です。なおテール部にはランヤード取り付け穴が あるのですが、ランヤード取り付け用の穴が1つしかないためランヤードを写真のように取り付けた場合、 ランヤードのヒモがスイッチ側に出てきてしまいスイッチを押す時にヒモが指に当たって邪魔に感じることがありました。 微々たることですが、穴をもう1個開けて内側に出てきたヒモをもう1度外側に出せると嬉しいなあ、なんてことを思ってしまいました。

さて、このライトには明るさ可変のモード切替機能が付いています。個人的にはこの機能が最大のツボでした。 プロトタイプ2では3モードあり、ハイパワーモード(#1が400mA駆動、#2は450mA駆動)、ローパワーモード(#1が100mA駆動、#2は70mA駆動)、 ブリンクモード(ハイパワーモードによる一定間隔の点滅)がありました。で、これらの切り替えはテールスイッチ1つで行います。 この方式がまた素敵なところで、OFFから1回ONでまずハイパワーモード、そこからOFFして4秒以内にONすればローパワーモード、 さらにOFFして4秒以内にONすればブリンクモードとなり、それぞれ4秒を経過した後にONした場合は全てハイパワーモードで点灯します。 Zipka plusと(方式としては逆ですが)同じような切替方式であり、個人的には1ボタンでの切替方式としてはこういったものが最良の方式だと思ってます。 なお、この4秒という数字を正確に作るのはかなり大変なことだそうで、実際には6〜7秒ありましたがこれは改良済みとのことです。 蛇足になりますが、この切り替えまでの秒数が長すぎるものはNGだと思います。なぜならこのプロトで例えばLoにしていて再度Hiにしたい 場合、OFFして4秒以上待ってONすればHiになるのですが、切替時間が長すぎると待てずにカチカチカチと思わずスイッチを連射したくなります^^;  個人的にはこの「待ち」というのは2秒辺りが使い勝手を損なわないギリギリの線に思います。

自分は日亜系白色LEDライトの明るさ可変機能についてはかなり懐疑的に思っています。5LED、3LED、1LEDなんかに変わるアレです。 元々10時間以上も平気で持つようなライトですし、それに加えて5LEDで至近距離を照らしても強烈なスポットで目がやられそう という光では無いです。そんなライトにトグル方式の使い勝手を損なうスイッチにしてまでなぜ要らないモードをわざわざ付けるのか? と前々から言いたかったわけなのですが、Luxeonを使うライトでは少し事情が違ってきます。オーバードライブ させたりしてもの凄く明るいライトが欲しいという欲求はあるのですが、オーバードライブしたLuxeonライトは手元照射には不向き、 ランタイムが激減、長時間照射が怖くてできないなど様々な弊害が多く、どうしても携行にはサブ用の実力派ライトが不可欠になるという 現実があります。もっともそれを承知で明るさを追い求めたりするのですが^^; しかしそういったライトにもし電流値を切り替える スイッチが付いていれば・・・と思ったことはありませんか?そうすればオーバードライブモードでライトマニアの本能を満たし、 通常モードで普段の満足感も得られるという何重にもお得なライトができるわけです。この欲求を満たすものでは Arc-LS4があり、発表時かなりドキドキしたものですがまだ発売は先の話です。ちなみにシュアL1は通常モードとアンダードライブ モードであり、それに本体も大きめだったので今一歩食指が動きませんでした^^; もちろんアンダードライブモードが ダメだと言っているわけではなく、明るさを求めるマニアの場合、明るい通常モードばかり使ってしまってアンダードライブモードには 目もくれないという状況になるのがオチだということです^^;

というわけでRUUさんにお願いしていたら正式版ではノーマルモード(400mA?)、ハイパワーモード(700mA?のオーバードライブ)、 ローパワーモード(100mA?)、ブリンクモードの4モード切替式になるそうです! もちろん700mAもかければ相当発熱するわけで、その解決法にArc-LS4が20秒間限定という方式を取ったのに対し、 ROF-1正式版のオーバードライブモードではヤバくなる極限までオーバードライブを続行、ヤバいと判断したらノーマルモードに 自動的に切り替わるという、マニアの想いを汲み取りつつも安全弁を儲けた素晴らしい仕様に仕上がってます! しかもノーマル強制切替時には、周囲が明るいと切り替わったことがわからないということでアンサーバックの1回点滅を盛り込まれる 等至れり尽くせりな内容です。これこそまさに理想!!もの凄い嬉しいです。しかも正式版では、要望があれば可能な限りこの電流値を ある程度カスタマイズ可能になり(とは言っても設定値推奨のこと)、 ブリンクモードも一定間隔の点滅だけではなく任意の、例えばSOS信号なんかにも可能(あまり複雑でないもの限定。点滅速度や回数、 数文字程度のモールス信号等)、とカスタマイズ性豊かなものになるようで期待大です。 こうなってくるとアンダードライブもいいなあと思えてくるから人間って勝手です^^; 何しろアンダードライブと言っても MicroIlluminatorよりも明るく、その明るさがRUUさん曰く10時間以上キープするわけですから…。 オーバードライブを多用し過ぎた、でもここでライトが切れるとまずい、というような状況での活用が想定できたりします^^;  ちなみに、オーバードライブでの連続照射がどれだけ怖いのかというのを知ってもらうために、RUUさんのテストに よる犠牲をここに書いておきます(RUUさんすんません^^;)。コンバータICに耐熱性の高いインダストリアルグレードを 使用していたのにも関らず、800mA連続3分の照射でICがお亡くなりになった模様…。Luxeonは耐えられてもICの方が耐えられないみたいです。 後学のためにRUUさんのお言葉を。『CR123A一本では高電流の連続供給を行うと短時間で電池の電圧降下が大きくなり、 コンバータのスイッチング電流が加速度的に増加するため、その損失が発熱に繋がっているものと考えられます。』 …とりあえず、800mA!800mA!と騒いだことが悲惨な結果に繋がったことを申し訳なく思っております。

さて、他のライトとの明るさ比較なんかは写真を見ていただくとして、照射パターンについて一つ。 今までNX-05+ハイドームの照射パターンはあまり好きではなかったのですが、今回のこのライトで覆されました。 非常にリフレクタに近い性格を持ちますね。同じクラスのものではArcMania氏によるbin#S4L LEGEND 2AAと比較してみると やや照射範囲的には狭いなりにも似通ったパターンなのがわかると思います。ROF-1にはリフレクタのオプションも検討されてますが、 正直言ってリフレクタは要らないんじゃ?とも思えてしまうほどの出来でした。満足です。そしてこのライトには コリメータ保持の仕方にも秘密があり、ネジ式のベゼルでバネ上にあるコリメータを押さえ込む形になっています。 コリメータの下にワッシャ等で少し浮かすと照射パターンが良くなった等の書き込みを掲示版で見たりしますが、 それがベゼルを締め込む量でいとも簡単にこのライトではできてしまうわけで、例えばLSHのようなパターンにしたり、あるいはLSLのようなパターンに、 と思うがままに自分好みのパターンへと調節ができます。これは従来のコリメータを使ったライトでは考えられなかったことです。

今回いろいろと学ぶことが多かったのですが、ランタイムテストを行った結果からもう一つ学んだことがあります。 グラフを見ていただければわかると思いますが、モード別での明るさの違いです。 測定誤差がありますし、使用しているLuxeonのランクによる違いもあるため絶対に決め付けることはできませんが、100mA域での70mA→100mAの 30mAの違いと400mA域での400mA→450mAの50mAの違いに注目して下さい。前者では流す電流が30mA増加させることで明るさは約1.19倍になってますが、 後者では電流を50mA増加させても明るさは約1.04倍にしかなりません。そしてその結果、Hiモードでのランタイムを約20分縮める結果となっています。 ここからある推論が導き出せます。つまり、オーバードライブではもの凄い電流値を流したとしても、それは明るさには素直に直結せず、単に ランタイムを短くするだけで終わってしまうのではなかろうか?ということです。勝手な推論ですので間違ってても怒らないで下さい^^;
なお、400mAと450mAの40m照射の写真では相当違って見えるかもしれませんが、実際にはあまりもの凄い差はありませんでした。 すみません、たぶん照射の軸がずれてます^^; また、ハイドーム+NX-05特有の四角いパターンが影響している可能性もあります。 「■」で対象物に行くか、「◆」で行くかでまた違ってくるかもしれないなあ、ということを撮影の後に気付いた次第です^^;

ざっとプロトタイプを見てきましたが、このライトは「これまでに無い」という魅力がふんだんに取り入れられており、自分は完全に虜になってしまいました。 正直言って市販のライトでもここまで精巧に作られたものは少ないです。それが全てオリジナルだということはもう驚きとしか言いようがありません。 ROF-1の正式版は期間限定で配布されるようですのでRUUさんのアナウンスを要チェック。 ただ、ボディから回路基盤(これもオリジナルですよね?)に至るまでコストを相当かけて作られてますので、少々お値段が張りそうですね^^;  それでもROF-1は今まで痒くても手が届かなかった所に手が届くようになったライトであり、プロト評価中から正式版の改良点を聞かされるにつけ 早く正式版が欲しいともだえておりました。発売前のArc4に真っ向から対抗できるライトなんてちょっと凄いと思いませんか?

(03-10-26 修正1)


RUUさんに補足をいただきましたので追記します。

まずローモード。10時間続くと書きましたが、同レベルの明るさを維持できるのは実質6〜7時間とのことです。 もう一つ800mA連続テストの結果について。テストはコンバータ単体によるものだったので、実際にライトに 組み込んだ場合の放熱効果までは考慮されていませんでした。実際に放熱対策をしっかりしていればどうなるかは わからないとのこと。今回いろいろ書き忘れが多そうです^^;

(03-10-26 追記)


少し前にRUUさんのサイト掲示版上で年内限定10本限りの予約申し込み受付が発表されましたがつい先日締め切られました。 ROF-1が手に入る機会はもうこれで無くなってしまったわけなんですが、ROF-"1"ということは"2"がある可能性 もあるわけで、次回作にも期待してしまいますね。そういえばうっかり書き忘れていましたが、"ROF"は製作者陣の頭文字だったりします。 言われるまで気付かなかったのですが、気付いてなかったのって自分だけなんでしょうか^^;

(03-11-04 追記)





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