Silverさんの製作されたmodです。譲っていただきましたm(_ _)m Silverさんのサイトで製作工程が紹介されています。 今まで5W-Luxeonを使ったライトと言えば、単3×6ダイレクトドライブのものか、CR123Aを使った物しかありませんでした。 しかしL4で昇圧させてCR123A*2駆動をさせていることを考えれば、昇圧させて単3×4でも点灯できるはずです。 コンパクトかつ経済的で明るい。そんなライトができるんじゃないかと5W-Luxeonの実力を知った時に思ったものです。 それがついに現実の物となりました。しかも想像よりもはるかにコンパクトなサイズで・・・。Silverさんの技術・アイデアに 脱帽です。 ■本体、スイッチ■ 見てのとおり、マグライト2Dを1Dサイズに切りつめたものがベースになっています。Dマグに単3が4本入ることは、 HIDマグの先駆者であるHARIUさんのサイト で知っており、故にここまでは自分でも思いつくものでした。しかしSilverさんはここで終わらせず、邪魔になるスイッチを テール部分に移植、その結果さらにスイッチ部分の高さ分全長を縮めることに成功、トータルとして非常にコンパクトなものとなっています。 さすがです。はじめ見た時は2Dマグを見慣れていたためかかなり違和感がありましたが、この形状も見慣れてくると割としっくり来るものです。 持った感じは正直言うとちょっと持ちづらいかもしれません^^; ボディが極端に短いため、手が大きい人だと手がボディからはみ出ます。 ヘッドに手がかかるくらいで持つのがちょうどいいのかも。ちなみに順手で持つとそうなりますが、片手でテールスイッチをすぐに 押せるように逆手で持つと割合しっくり持てます。ただどちらの場合でもボディに引っかかりが無く、つるつるしていてため滑りやすいです。 この辺りは自己努力でなんとか滑り止めを付けたいところです。 スイッチはオリジナルのテールスイッチです。いわゆるクリッキーなスイッチで、これは間欠点灯ができないタイプです (SF-501やBlasterVIのような、押して離して初めて点灯するタイプ)。はじめは少しテールの底よりも盛り上がりがあり、 スイッチが若干軽めなので誤点灯の可能性を考え、リングパーツ案をメールしました。次回にもし作られるなら 参考に、というつもりだったのですが、すぐに作って送って下さいました。大感謝ですm(_ _)m 結果は テールから見た時のアクセントにもなり、副産物としてテール側でも直立するようになったりで非常に良好です。 肝心の誤点灯防止効果の方も荷物満載のザックの片隅に入れた移動でも問題ありませんでした。大満足です。 また、Silverさんのmodでは既に定番の感があるGlowPowderも付いており、消灯した後のアクセントとして目を楽しませてくれます。 これはアイデアとしてはかなり良いです^^ ■明るさ、配光■ 一番気になるところです。果たして単3×4昇圧でどこまで明るさが引き出せるのか。 結果は見てのとおりです。スポット時にはかなり遠くまで光が届きますが、全体的な印象としてはL4に少し届かないかもしれません。 爆発的な光量は得られないにしろ、単3でこれだけ明るければ十分満足です。ダイレクトドライブで無いので安心して使えますし、 財布にも優しいです。 ではなぜ全体的な印象でL4の明るさにやや負けるのかを考えてみました。 個人的な結論としては、非常にスポット光になるせいだと思いました。ダイレクトドライブのSNIIやMEGACLOPSでは スポットにしてもなお溢れんばかりの周辺光により、Dマグリフレクタから生み出される強烈なスポット光というのを 全く感じさせなかったのですが、昇圧したこのライトの周辺光はそれらに比べれば明るさはかなり落ち、スポットであることを 強調させる結果となりました。照射の性格が全く違うL4と比べること自体おかしいのかもしれませんが、このレベルの 明るさでは遠距離まで届かせようと無理にスポットへ持っていくよりも、中距離+αを狙ったややワイド気味の配光の方が 返って明るく感じるような気がします。この辺りは個人的な好みの問題ですが…。 そこでこの配光をややマイルドにしてみたらどうなるのかとUCL-LDFを使ってみました。UCL-LDFについては UCL/UCL-LDFのレビュー をご覧下さい。ノーマルレンズでワイド気味に使うという ことも考えられるのですが、Dマグリフレクタ特有のダークスポットが出てきてしまいます。しかし UCL-LDFではこのダークスポットをも無くしてしまう効果があり、周辺光を増大させつつ遠距離照射性能もある程度は残すという なかなか好ましい状態に持っていってくれました。個人的には使い勝手も上がり、かなりマッチしていると感じました。 ■バッテリー、ランタイム■ このライトは単3×4をDマグに収めます。どのようになるかは上の写真にあるとおりです。 アルカリ4本では全く問題がありませんが、NiMHを入れる時には少し注意が必要です。今まではあまり気にも留めなかった 「太さ」が強烈な問題点として浮上し、まさに何十分の一ミリの世界で入ったり入らなかったり・・・。 (NiMHの太さ自体にもそれぞれに個体差があるようですので、自分の行ったものが全ての結果では無いということを ご了承ください)。2000mA以上のものでは太くなり入れるのに一苦労です。自分の所での結果としては、被膜を剥き、ショートを 防ぐために荷造り用の薄いセロハンテープを一重巻きしたものが容量と太さのバランス的に一番しっくり来そうな感じですが、ランタイムを犠牲にしてでも 径の細い1600mAや1800mAのものにした方が精神的にいいかもしれません^^; ランタイムテストも行ってみました。ただ自分のテストでは注意する点がひとつあります。 NiMHの被膜を向いて入れる時、おバカな自分は最初セロハンテープを巻かずにむき出しの状態で入れてしまい、 ショートさせてしまいました^^;(被膜を剥く場合には十分気を付けて下さい) このライトで使っている BadBoyは電気的に非常にデリケートなものですので、ショートによる影響が全く無かったとは言い切れない部分があります。 ということで、自分の行ったランタイムテストは正常な状態下で行ったものでは無いということをご了承下さい。 結果はグラフのとおりです。これはもうNiMHでの運用以外に考えられませんね^^; まさか全域でアルカリを上回るとは思いませんでした。なんだかグラフがぐねぐねしてますが、ショートによる 影響なのかもしれません(これはフリッカーでは無いです)。 アルカリ計測ではどうなることかと思いましたが、NiMHならば正味1時間はこのライトの明るさが持つということで、 ランタイム的にも十分実用的な範疇だと思います。 ■最後に■ このライトはいろいろな所でこれぞmodという所が見られて楽しいです。 特にDマグヘッドとほぼ同じ長さにまで切り詰められたボディがまるでDマグのミニチュア版のような印象で 個人的にはけっこう気に入ってます。もちろん実用性も高く、個人改造品とは言えども実用面においては 現在最高のライトの一つだと思います。 5Wの明るさを体験した人間からすれば、単3×4でどれだけのものになるのかということを一度は気したことがあると思いますが、 その結果の一つをこのmodが示してくれました。最後まで連続点灯してもライト自体に不具合はありませんでしたし、 5W的な明るさも十分出ており、ランタイムもまずまずとなかなかの実力でした。 現状では単3×4駆動の5W-Luxeonという方式のライトは市販品にほとんど無い(一部海外製ヘッドランプを除く)のですが、 実用面で高い性能を持つライトとしてぜひ市販メーカーに開発をして欲しいところです。 (03-09-18)