CPFで活躍するLambda氏のmodです。 5W-Luxeon HD、6AA、2Dマグということで自分の持っているMr.Bulk氏のSpaceNeedleIIとほぼ同じ構造です。 明るさや照射の具合等はSpaceNeedleIIとほとんど同じですのでそちらのレビューを参照してください。 よって、今回のレビューでは主にSpaceNeedleIIとの比較という観点で見ていきたいと思います。 まずすぐに気付くのが光の色です。MEGACLOPS HDの色合いはSpaceNeedleIIと比べてかなり黄色いです。 MEGACLOPS HDの色温度が5,000Kならば、SpaceNeedleIIの色温度は5,500〜6,000Kあたりかな? 黄色っぽい光は照射される物の正確な色は分かりづらくなる反面、自分の屋外照射テストのような地面の色が 黒っぽい場合はかえって明るく感じます。でも白いSpaceNeedleIIの光の方が自然で見やすいですね^^; なお写真で見るとわずかにMEGACLOPS HDの方が明るいようですが、実際に照らした時にその違いはわかりませんでした。 ちなみにMEGACLOPS HDのLuxeonはbin#W2Uです。色合いよりも明るさを取ったという感じですかね… 構造的な部分を見てみると、ヘッドをいっぱいまで締めた時のLuxeon部分のリフレクタ内の出っ張りが違います。 これが何に影響を与えているかというと、フォーカス調節の使い勝手に影響しています(全長もそのせいで0.5mmの違いが 出ていると思います)。Dマグではヘッドを緩めたり締めたりしてフォーカス調節を行いますが、MEGACLOPS HDもSpaceNeedleIIも 完全に締めた状態から少し緩めた辺りで最もスポットな光が得られます。 ここからさらに緩めると次第にワイド方向へふられるのですが、このスポット→ワイドという 過程で両者は手応えが違います。MEGACLOPS HDではヘッドがOリングと接触している状態でその過程が 推移するため、ヘッドがOリングから外れる寸前でちょうど最もワイドになるようなセッティングになっており、 Oリングから外れて手応えが無くなってからはLuxeonの光がリフレクタにあまり反射しない位置にまで下がっているの が手応えでわかるのに対し、SpaceNeedleIIはすぐにヘッドがOリングから外れてしまい、手応えのない状態で ワイド方向へフォーカス調節することになるため、最もワイド光になる位置にヘッドが来ていることは照らした光を目で 確認するしかありません。 これは使う上で別にたいした問題ではないのですが、MEGACLOPS HDではフォーカス調節をするのにそれなりに力を使うため 多少疲れること、SpaceNeedleIIでは力がほとんどいらない代わりにワイド状態で持ち運ぶとヘッドが抜け落ちる可能性が あること。使う上でこれらを許容する必要があります。どちらがいいのかは正直わかりませんね。なお、照射パターンは 両者とも同じものです。マグのワイド+スポット同時実現するような素晴らしい配光です。 他に目が付く部分としては、バッテリーケースの完成度の違いです。MEGACLOPS HDのものは完全に商品のそれですね。 非常に丁寧な仕事をしているのがわかります。SpaceNeedleIIのものは手作り感が強く、特に+側のバネを曲げたような 部分がバッテリーを入れてテールキャップを締める時にカチカチと内部で当たり聞いてて不安になります。 本体ケース内の+接点にもバネが付き、そのおかげでElektroLumensのCR123Aホルダーも使うことが出来ました。 ところで両者をバッテリーを抜いた状態で重量を量ってみるとなぜか21gの差が生まれます。ヒートシンクも見たところ 同じものを使っているようなので、見えない部分に何かが仕込まれているような気がします。DCコンなんでしょうか? それとも放熱対策強化?想像は膨らみますが作者様に何も聞いてないのでわかりません^^; 比較としては以上です。造りの丁寧さではMEGACLOPS HDに軍配が上がり、真っ白い光という魅力ではSpaceNeedleIIに軍配が 上がります。どちらにしても明るさはそれほど変わらず、非常に使える明るいライトであることは間違いありません。 これで5W-Luxeonを使用したmodは何本か持つことになりましたが、どれを見てもフィラメントがLEDに置き換わる将来を とても強く感じさせます。前にRAYBRICがLuxeonを使った自動車用のヘッドライトを発表していました。いくらなんでも まだ先の話だろうと半信半疑でしたが、今回実験してみたことでそれが嘘ではないことを確信しました。実験というのは 簡単です。夜真っ暗な道で車を走らせ、SpaceNeedleIIまたはMEGACLOPS HDで照射、車のヘッドライトを消すだけです。 (危険ですので絶対マネしないで下さい^^;)結果、1本のライトで時速60km であってもそれほど不安なく走れました。感じとしては自動車の標準で付いているヘッドライト(バルブ)で照らしているような 感じです。もっとも窓から手を出して照らしながら走らせる体勢の方が危険ですし、たぶん道交法違反ですのでマネしないで 下さい^^; これは個人的にかなりショックでした。本当の意味でついにここまで来たか、と。同時に5W-Luxeonを使用したライトでは これらのライトが最高峰の明るさだと思うので、次の新しいLEDに期待してしまったのも事実です。いろいろなメーカー から100ルーメン級のチップLEDがこれから続々と登場してくると思います。明かり関連の新しい技術は自動車方面から 正式に採用してくるのが世の常ですので、懐中電灯の世界にそういった新しい技術が正式にメーカーから出回るのは 自動車用のが登場してからでしょうね…。発熱を何百分の一に押さえた高出力LEDなんかは懐中電灯にぴったりだと思いますし、 そんなに遠くない将来が楽しみです。 (03-05-27)