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MAXTEL JF996/JF997

本体写真

▼左からJF996、JF997、マグ4D
▼長さ等は下記仕様表を参照
▼[JF997]バッテリー警告付スライド式スイッチ

▼[JF996] 単1×5込みで1415g
▼[JF997] 充電池込みで1517g
▼ヘッド側面の窪みは転がり防止に

▼前面
▼5W-Luxeon使用。凹凸リフ+レンズ
▼後ろから

▼[JF996] バッテリーは単1×5
▼[JF997] バッテリーは充電池
▼[JF997] 充電中のLEDは赤、完了で緑に

照射比較その1 [室内約1.2m、ISO200、F2.8、シャッタースピード1/100固定] (比較のためにかなり暗めです)
※写真をクリックすると拡大します

▼JF996 vs JF997
▼JF997 vs SF-501


照射比較その2 通常=[ISO200、F2.8、シャッタースピード1.6s固定]
光学3倍=[ISO200、F4.7、シャッタースピード1.6s固定]
※写真をクリックすると拡大します
※光学3倍ズーム時→シャッタースピードを変えていないので暗めに写ってます
※JF996は基本的にはJF997と同じです
※壱式ver.1は手持ちが無かったため飛び入り参加です^^;

▼JF997
▼SF-501
▼壱式ver.1 [mod]


▼光学3倍ズーム
▼光学3倍ズーム
▼光学3倍ズーム

照射比較その3 [屋外40m、ISO200、F2.8、シャッタースピード1/1.6固定] (照射比較のものです)
※写真をクリックすると40mの照射比較ページを別窓に開きます

▼JF996
▼JF997
▼SF-501

照射写真 ※写真をクリックすると該当距離の照射比較ページを別窓に開きます

JF996 (5W-Luxeon)

▼室内1m

▼屋外5m

▼屋外10m


▼屋外20m

▼屋外40m

▼屋外60m


JF997 (5W-Luxeon)

▼室内1m

▼屋外5m

▼屋外10m


▼屋外20m

▼屋外40m

▼屋外60m


※レビューに使用したMAXTEL JFシリーズは全てマックステル・ジャパンさんよりお借りしたサンプル品です。 ありがとうございました。製品仕様については 該当ページ で見ることができます(下記にも掲載)。

MAXTELのサーチライトシリーズは JF990・995のHIDシリーズ とJF996・997のLEDシリーズの2種類あり、今回はLuxeon-5Wを使用したLEDシリーズの紹介です。 JF996と997はバッテリーが違う以外はほとんど同じものなのでひとまとめに見てみます。


ボディ

JF996のボディが若干長くなっている点を除き、JF995・996・997はほぼ共通のものです。 ヘッドはDセルのマグライトと比べてもかなり巨大なものとなっており、全長も非常に大きい部類のものなのですが、 Luxeon-5WやHIDの発熱を受け止めるにはこのくらいの大きさの方が安心かもしれません。 現在流通している白色のLuxeon-5Wは1Wに比べて劣化スピードがかなり早く、それを少しでも遅らせるためにはボディの 放熱構造が重要な要素の一つとなり、ボディが大きいということはそれだけ放熱面で有利になるわけで、 光源の寿命に重きを置く場合には携帯性を犠牲にすることもメーカーの姿勢としては真っ当なものだと思います。

スイッチはスライド式スイッチで、JF997については充電池を採用しているためバッテリーレベルが Lowになると点滅するLEDが仕込んであります(JF996にはありません)。スイッチはけっこう固めですが、 頻繁にON・OFFする性格のライトではないのでそれほど問題は無さそうです。

また、JF995・996・997のボディはIP66級の防塵防水筐体となっています。IP○○級のIPというのは International Protectionの略でIEC60529で制定された国際防護規格を表し、 その後に続く数字が等級を表します。最初の数字が外来個体物に関する防護等級(6段階)、 後ろの数字が水の侵入に対する防護等級(8段階)となり、IP66級は外来個体物に関する防護が最高レベルの6(耐塵形)、 水の侵入に対する防護は6(暴噴流/いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても影響を受けない)となっています。 なお防水等級が7になると浸漬(規定の水圧・時間で水没させても影響を受けない)になるのですが、一般に時計等で よく使われる○気圧防水とは規格が違うのでどれだけのものなのかは正直わかりません。 ヘッドが開けられない構造なのでマグライトよりは良さそうです^^;


バッテリー

JF996は単1形アルカリ×5、JF997は4.8V-7000mAのNiMH充電式となっています。JF996にNiMHが使えるのかは不明です。 Luxeon-5Wの定格が6.84V(5.43V〜8.31V)なので昇降圧型のDDコンでも入ってるんでしょうか? (JF996と997の中身は同じと聞いています)よくわかりませんです^^;  JF997のバッテリーはJF995と共通でボディから外して充電するタイプのものです。ちゃんと充電中・充電完了を知らせる LEDが付いていますし、過充電もしないようなので使い勝手は悪くありません。

このライトの性格としては長時間照らし続けられるものになると思うのでランタイムが気になるところですが、 一応このライトは長時間の連続照射はできないことになっており、ランタイムテストをすることが できませんでした(個人的には全然問題無いと思うのですが、メーカーの安全志向なので仕方ないことです…)。 それでもだいたいの傾向が掴みたかったので、途中に30分間の休憩(消灯)を入れた断続1時間の変則簡易テストを行ってみました。

Time (分) JF996 (%) JF997 (%) ※ライトが大きすぎるので自分の照射台にうまくセッティングできず中心から外れた計測になってしまったため、 点灯開始直後を100とした割合表記にしてあります。
0:00 100.0 100.0
10:00 90.0 99.8
20:00 85.9 99.7
30:00 82.8 100.3
30分間消灯
0:00 93.5 100.4
10:00 81.8 100.1
20:00 77.8 100.4
30:00 74.9 100.9

やはりNiMHだといい感じに照度を保ってますが、アルカリのJF996だとだらーっと照度が下がっていきそうです。 それでもおそらく長時間持つのはJF996の方だと思いますし、JF997はそこまで持たないにしてもLuxeon+NiMH+DDコンに特有の 最高照度を長時間維持して一気に暗くなるというグラフになりそうです。バッテリー要素から見ると、日常的に頻繁に使用する ならばJF997、災害用に置いておくならばJF996といったものになるでしょうね。


明るさ・照射パターン

肝心の明るさですが、Luxeon-5Wを使用したライトの中で突出した明るさ!というものではなくLuxeon-5W製品の 中では普通の明るさです^^; ボディの大きさから来るイメージから卓越した明るさというものを想像してしまうんですが、 JFシリーズのボディの大きさは上記のようにおそらくメーカーの安全志向から来るものであって明るさを示すものではありません。 日本メーカーがもしLuxeon-5Wを採用したとしてもこんな感じになるんでしょうね。

さて、このライトのLuxeon部分は写真のようにドーム状のレンズに覆われた見たこともない形状で、さらに凹凸リフレクタ も中心部が盛り上がったキラキラピカピカのタイルが敷き詰められた今までに無いタイプのものです。 外観からは照射パターンが全く読めなかったんですが、実際の照射は写真のような真四角に近いパターンを 描き、どちらかと言えば近〜中距離を広範囲に明るく照らすタイプのようです。 あの集光処理はLuxeon-5W特有のダークスポットを積極的に消す方向で、とにかくムラを無くすことに徹底したような感じを受け ムラと呼べる物は全くと言っていいほどありません(ただダークスポットは完全には消えておらず、中心部は周りに比べてわずかに暗い感じです)。 その分スポットさは無くなり遠距離照射は不得手で 「サーチライト」という言葉のイメージからはちょっとかけ離れている感じです^^;  なお、テストしたJF996とJF997の明るさ感がけっこう違っていますが、内部的な構造は全く同じであるそうなので、 これはひとえにLuxeonの個体差から来るもののようです。

自分の正直な感想を書けば、なぜ照射パターンをワイド方向に振ってあるのかが一番の疑問です。 サーチライトという名を冠しているのであればそれに即したものにすればいいのに…。 また、放熱用には十分な大きさのボディやヘッドを持っているので、もっと明るくしても大丈夫なんじゃないのかなあと 無責任なことも思ってしまいます(明るさマニアの性です^^;)。というか、ムリをしてLuxeon-5Wを採用せずとも ElektroLumensのTri-Starのように Luxeon-1W*3+Tri-Lensにしてしまった方がよりサーチライトっぽくもなりますし、明るさ感的にもLuxeonの寿命の面でも ランタイムまでもがさらに良さげなものになりそうです。 Tri-Starの弱点はDDコン無しで大電流を流すことによる急激な照度低下(+ライトの造り)ですが、 JF997に採用されているようなNiMH充電池は使ってみると意外に使いやすくこれと組み合わさればかなり強力なものが 出来そうなので、無い物ねだりの妄想とは言え惜しいですねえ・・・


最後に

JF996・997を総括して見てみると、Luxeonの寿命を延ばすために放熱に有利な巨大なボディを使い、 管理の面倒な充電池にも過放電・過充電両方からそれに対する安全弁が仕込んであったり、 防水・防塵性能を高めるためにあえてヘッドが開けられない等々、 とにかく安全志向にこだわっていることが伺えます。こういった造りはマニアにとって時として大きなお世話的 なことを感じたりすることもあるのですが(失礼)、信頼性の高いライトを供給するというメーカー製ライトの姿勢 としては本来こうあるべきものなのでしょうね。

明るさ面ではSF-501とそれほど変わったものではなく本体の大きさを比べると唖然としてしまうところですが、 長期間使用できる信頼性や長時間照射という面から見ればJF996・997にもアドバンテージがあります。 レビューにあたってあまりに長時間の連続照射は望ましくないことを聞いていますが、あれだけ放熱環境が整っていれば それほど気にしなくてもいいと思いますし、Luxeon-5Wを使用した単1仕様のライトは自分が知る限り他には無いに等しく (ElektroLumensのBlastarVがそうだったのですが現在販売されていません)、そういったものを求める人にとっては 現在JF996以外に選択肢は無いと思います。また、実際に災害が起きた場合の電池の配給は単1か単3ばかりと聞きますし、 いざという時に大光量を広範囲に、電池の供給無しでも長時間運用可能、かつフィラメントと違ってバルブ切れの心配も無いという この手のライトは需要が少なからずありそうですね。 以上のように、このライトは明るいですがマニア向けでは無く完全に実用向けです^^; なかなか堅実で渋い存在です。


製品仕様

いただいた資料より製品仕様です。

  JF996 JF997
商品名 LEDサーチライト LEDサーチライト
バルブ LED LED 
輝度 5W 通常LEDの50倍 5W 通常LEDの50倍
色温度 5500K 5500K
連続点灯時間 30時間(2時間/日使用時) 6時間
ランプ寿命 10,000時間 10,000時間
フォーカス 30°固定 30°固定
防水性 防塵防水筐体 IP66級 防塵防水筐体 IP66級
電池 単一アルカリ1.5V x 5ヶ 7000mAH NiMH 充電式
充電時間 - 7-9時間
寸法 Φ90 x 439 mm Φ90 x 420 mm
重量 0.8kg (電池除く) 1.48kg
標準付属品   Ni-MHバッテリ、充電器


(04-03-17)



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