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INOVA X5MT (2003年モデル)

本体写真

▼12cm
▼E2,X5MT,XB-60,ミニマグAA
▼CR123A*2込みで104g

▼前面
▼ボディ
▼シュアに劣らない質感の良さ

▼テールスイッチ。押すと間欠点灯、
 回すと連続点灯。

▼ストラップ等付けることが可能

▼新型XB-60とのリフレクタ比較

▼バッテリーの向きに注意
▼一般のライトと+−が逆


配光の違い

▼X5MT
▼XB-60 (旧型)
▼XB-60 (新型)

照射比較その1 [室内約1.2m、シャッタースピード1/15]
※写真をクリックすると拡大します

▼X5MT vs XB-60 (旧型)
▼X5MT vs XB-60 (新型)


照射比較その2 [シャッタースピード1/2]
※写真をクリックすると拡大します

[屋外5m]
▼INOVA X5MT

▼XB-60 (旧型)

▼XB-60 (新型)

[屋外10m]
▼INOVA X5MT

▼XB-60 (旧型)

▼XB-60 (新型)

[屋外20m]
▼INOVA X5MT

▼XB-60 (旧型)

▼XB-60 (新型)

照射写真 ※写真をクリックすると該当距離の照射比較ページを別窓に開きます

▼室内1m

▼屋外5m

▼屋外10m


以前から至る所でいいLEDライトだということを聞いていて、東急ハンズで見かけるたびに欲しくなっていたLEDライトです。 しかしその9800円という店頭価格に怖じ気付き、結局今まで買わずにいました。
ところが今回嬉しいことにカネデンオンラインさんからの ご厚意でこちらのライトをご提供いただきました。感謝です。
それにしてもかなり安くなってきたんですねえ…

X5MTはとにかく明るい、質感が良いというのを今まで聞いてきました。実際手元に届いていじり回してみると、 それらの言葉が確かに正しいことがよく分かります。

まずすぐに分かるのが質感の良さ。ボディに航空機用のアルミを使っているらしく、そこらで3000円程度で買える アルミライトとは何か違うのが分かります。見た目、触った感じともになんだか高級感がありますね。持っているだけで 嬉しくなってしまいます。E2と並べてもそれほど見劣りしません。
なお、このモデルではボディ部分が八角形になり、一言レビューの方であったようにコロコロどこまでも転がってしまう ということは無くなったと思います。ヘッドとテールは相変わらず丸いので完全には引っかかりませんが、転がしてみると カタッカタッと微妙に引っかかっており、いずれ止まります。あんまり勢いがいいとやっぱり転がってってしまいますが^^;

スイッチはE2やXB-60と同じようなテールスイッチ方式なのですが、その質感もいいです。E2によく似た感じの操作感です。 どうしても安っぽさを感じさせるXB-60のスイッチとは雲泥の差でした。押せば間欠点灯、テールキャップを回すと 連続点灯になり、完全に締めた状態から約1回転緩めるとプッシュスイッチを押しても点灯しなくなる、シュアファイアで 言うロックアウト状態にもできます。持ち運び時の誤点灯防止には不可欠な機能ですが、これもロックアウト状態にすると テールキャップが落ちてしまいそうになるXB-60とは違って、E2のような高級感のあるしっかりした感じです。 ただ、これらのスイッチ方式全てに言えることだと思いますが少々プッシュスイッチが固い気がします。 あくまで間欠点灯用であり、押し続けて連続点灯するには少し疲れます。連続点灯する時には素直にテールキャップを 回した方がいいです。

もう一つよく言われることがその明るさです。
しかし自分は今まで、X5は明るいと言っても5灯なのでなんだかんだ言ってもXB-60と大差は無いだろう、それにリフレクタの 形状が新型XB-60のような感じなので、照射範囲が狭く、広がりのある光というLEDライトのメリットを捨てたようなものなんじゃ ないのでは?と思っていました。

ところが点灯してみて驚きました。明るいです。効果的に集光されているためか中央部は当然のようにXB-60よりも 明るく、しかもその照射範囲も制限されたような狭いものではなく、広がりのある光を残しています。これは新型XB-60と 並べてみてその理由がわかりました。LEDの部分に空いている穴の大きさが大きいのです。おそらくこれが作用している のだと思います。明るさ的には照射比較の写真を見ればわかりますが、少なくとも新型XB-60よりは確実に明るく、 明るさ感も上です。もっともこれは自分のXB-60がハズレだった可能性もありますが…。 配光パターンを写真に撮ってみると、改悪された新型XB-60寄りの配光パターンのように見えるのですが、 実際に照らした感じは旧型XB-60と新型XB-60の中間とも言える配光でした。個人的には明るさ感から見てこのタイプの リフレクタはいただけないのですが、多くのライトにデザイン的な部分で影響を与えたものですし、X5MTのものは 新型XB-60ほど悲観するものではないので許容できます。
さて、上述のように中心付近の明るさは新旧両方のXB-60よりも明るいのですが、この明るさはけっこうLEDをオーバードライブさせている からなんでしょうね。光は若干青っぽいですし、それに少々ムラもあります。また、結局は光の広がり的に旧型XB-60より 劣るため、特に室内(近距離)では旧型XB-60の方が明るく感じます。しかし屋外になるとなぜか旧型XB-60に比べて照射範囲は それほど劣りません…。実はリフレクタの加減がいいんでしょうか?

さて、自分がこのライトを今まで買わなかった理由がもう一つあり、それは使用バッテリーの問題でした。 CR123A=高いという図式が頭にできてしまっていたためです。 確かに毎日何時間も使うようなライトの電源にリチウムでは電池代が厳しすぎますが、実際の使用ではそれほど ガンガン使うライトはほとんどないので、最近では自分の考えも変わりリチウムだからと言って毛嫌いすることは 無くなりました。それはリチウム電池のメリットである、長期保存性の良さと電圧降下がしにくいという部分に 良さを感じて来たからです。

ガンガン毎日何時間も使うようなライトであれば、今でも単3アルカリが使える方がいいと思ってます。 NiMHも使えるし、何より100円ショップの電池が使えます。しかしこれは新品電池をセットしてすぐに使い切るような 感じの使い方だからこそ意味があり、長期間に渡り少しずつちょこちょこと使うような使い方ではヘタするとアルカリを 使い捨てで使うことになってしまいます。というのは、アルカリ電池には長期保存性が低く電圧が低下しやすいという 特性があり、さらに液漏れの危険性があるからです。

アルカリ電池を長期保存性という点から見ればリチウム電池の10年に及ばないにしろ、一応1年程度は持つと言われており 問題の無いように見えます。しかし使うにつれて電圧が低下しやすく、結果暗くなりやすいという性質を持っています。 100円ショップの電池は安くて大いに活用しているのですが実はこの性質が顕著で、ランタイムテストをしてみると パナソニック等メーカー製のものに比べて最悪半分程度のランタイムしか稼げないことがあります。 結果としてじゃんじゃん使い捨て感覚で100円ショップ電池を使うか、パナソニック等の信頼のおける高価なアルカリ電池 を使うかのどちらかになり、よく考えるとリチウム電池が高いという意識がかなり薄れて来ます。また、液漏れの心配も あります。自分は2回経験しましたがもの凄く臭くてブルーになります^^;

したがってX5MTはガンガン毎日何時間も使う"ツール"としてのライトではなく、いざという時のために携帯するライト だと思います。ちょうど質感も高くコンパクトなので持ち歩く気になれますしね。リチウム電池であり球切れの心配もない LEDなので、どんな時でも最高の性能を発揮してくれそうです。これがアルカリではいざという時に電池切れということ にもなりかねません。なお蛇足ながら、"ツール"としてベストのLEDライトはいまだにXB-60だと思っています。本体が 安いので手荒に扱えますし…。ただ、キャンプなんかに行く時は念のため新品電池に変える必要があり、NiMHで あれば前の晩に充電しておく必要性があるので面倒です。そもそも質感がX5MTに比べられない程低いのが最大の難点ですが…

なお、このX5MTは質感が高い上に興味を引きやすいLEDライトなので、人に見せると確実に反響があります。 それでいて値段が手頃になってきていますのでプレゼントにも最適かも。自分は父の日に贈ろうかなと考えています。

(03-05-31)



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