これは、おそらく市販品では初となるLuxeon+リフレクタという組み合わせのライトです。 Arc-LSやKL1等、今までのLuxeonを使った市販品は全てコリメータを使用していました。そしていろいろ見ているうちに、 既存のコリメータ(ElektoroLumensの30mmコリメータを除く)との組み合わせでは遠距離を照らせないことがわかり、 それがいつしか不満になっていました。どうしても白色LEDライトのXB-60等と使用シーンがかぶることが多く、真っ暗闇の屋外 ではもう少し先を照らして欲しいなあ…と思うこともしばしばで、そういったケースではどうしてももう1本何か他のライトの必要性を感じずには いられません。コリメータでは唯一、30mmコリメータとの組み合わせで2〜30m先をも照らせますが、その代わりに照射範囲が非常に狭く、 コリメータそのものが大きいためにライトも巨大化し、使い勝手の面では今一歩といった感じです。 自分の中で1W-Luxeonのライトと言えばコリメータ、というような概念があったので少し絶望しかかっていたのですが、 mod品であるSpaceNeedleIIやMEGACLOPS、MicroIlluminatorやmod(2)(失敗品^^;)を使ってみて、Luxeonハイドーム+リフレクタという組み合わせが 遠距離を照らし、なおかつ近距離にもかなり広範囲に光が広がるといった照射パターンになるということを知りました。 それ以降、Luxeon+リフレクタという組み合わせに非常に興味を持ってまして、そこへこのライトの存在が頭に浮かびました。ハイドーム+リフレクタの組み合わせの 照射パターンは理解できましたが、ロードーム+リフレクタの照射パターンは想像もつかなかったのです。 ■OEM■ さて、Task-Light 3AA Luxeon(以下Task-Light)はStreamlight社からの発売に なっていますが、元はNUWAI社のOEM供給品と思われます(確証無し)。NUWAI社のものは安い割に性能がいいと 個人的には思ってますので、買うにあたってそれほど心配はありませんでした(GENTOS等からも多く出てますね)。いきなり価格の話ですが、Stramlight社のOEM品は ネームバリューで高くなる傾向があるので、正直言って同等OEM品が他社から出るのを待った方が安く買えると思います。OHMかGENTOSあたりから出そうですし… ■外観・大きさ■ Task-Lightの外観はStramlight流の味付けがされていて、けっこう見た目・質感は悪くないです。持ち手のところにもミニマグのような 滑り止めの加工がしてあり、持った感じも悪くありません。しかし塗装は少し弱いような気がします。自分は黒色を買いましたが、 1回ポケットに突っ込んで散歩しただけでところどころ黒色が剥げて地の銀色が見えてきてます。使い倒すつもりならシルバーにしといた方が 無難かもしれません。 大きさは見てのとおり長いです。3AAと聞いてスタミナライトを思い浮かべていたのですが、ヘッド下にプッシュスイッチ があるためにその分全長は長くなっており、また、リフレクタを使うためかヘッドも少し径が大きめです。全体のバランスと しては悪くないと思うのですが、持ち歩きや取り回しには少し気を遣いそう…。散歩している時に思ったのですが、警棒に なってしまいそうな形状です。持ちやすく叩きやすい。用途はまったく違いますが^^; ■明るさ・照射パターン・色合い■ 肝心の明るさですが、写真のとおりArc-LSを凌駕してしまいました。ちょっと悔しいです^^; ロードーム+リフレクタという組み合わせでは、ハイドームの時ほどスポット光にならず、どちらかと言えばNX05のような コリメータを使ったものに照射パターンが似ています。しかしセッティングのせいなのか、中心に全てを集光するというよりも、 壁に当たった光はけっこうな大きな円を描き、一番明るい部分が均一に広いです。ちょうど集光レンズを使ったSEA BrIGHTの パターンに似ており、構造から想像するに不思議なパターンだと思いました。その最も明るい円の周りには少し暗い光が 取り巻き、全体としてロードーム+NX05のようなパターンになっています。NX05の明るい中心部が広がったと言うか…。 言葉で説明するのは難しいのですが、使いやすいパターンです。 そして気になる遠距離性能ですが、これは少し残念でした。思ったよりも光が飛びません。NX05よりも少し先を照らせると いった感じです。真っ白い壁に向かって照らす分には30mでも飛ぶと思いますが、黒いアスファルトの道路を照らそうと するならいいとこ20m程度でした。また、ハイドームで見られた近距離に広がる広範囲の薄明かりはありません。 ハイドーム+リフレクタでは、光の総量を遠距離と近距離に分けるような感じ、ロードーム+リフレクタは中距離よりやや 遠方よりに光を中範囲で集中させるような感じでしょうか。なんか感覚的な表現ばかりで申し訳ありません^^; 色合いは・・・予想していたこととは言え悲惨なものです。フォグランプのごとく真っ黄色で、外周に至るまで微塵の白さもありません。黄色っぽいと思っていた Arc-LS1 Hybrid 500mAが真っ白に見えるほどです。安く上げるために非選別品を使っていると思われるので 致し方ないところですが、これは当たりハズレがけっこう激しいですね。逆に真っ白い人もいるようですし…。真っ黄色であっても 使う分にはそれほど苦にならないのですが、自分のは色合い的に完全にハズレです。割と安価な部類に入るライトなのでハード使用 専用にしようかな… ■ランタイム■ 疲れました…もう2度とアルカリ3本以上のランタイムなんて取るものか(笑) 冗談はさておき、NiMHでDCコンが入ってないライトを駆動させた時のランタイムが気になってたのでランタイム測定を行ってみました。 結果、Task-Lightでは最初の2時間はほぼ同じ光量が続きます。2時間後の光量は初期光量の89%。ほぼ真っ平らと言っていいでしょう。 その他はグラフの通りですが、NiMHは常時ハイパワーを出そうとするんですかね。ちょっと結果にびっくりでした。 アルカリでは・・・ここまで続くとは思いませんでした。すみません、7時間でさすがにダウンです^^; 7時間後測定の後そのまま 点けっぱなしにしておき、朝スイッチを切り(切断時11時間40分経過)夜に測定を続けようと思ったのですが、これまた 個人的には大発見?で最後の測定(7時間)から4時間40分点けっぱなしだったはずのものが、スイッチを切って12時間後 測定を再開するとなぜか7時間時のものと同じLux値を示しました。4時間40分の点けっぱなしの時間がどこかに行ってしまった かのようで気持ち悪いのですが(さすがに真っ平らとは考えられない)、アルカリ電池は休ませると少し回復するという結論で 無理矢理納得させています。 どちらにせよ、NiMH・アルカリ双方でかなりいい成績を残したんじゃないかと思います。 3AAでここまで続くとは思いませんでした。DCコン無しもそんなに悪くないなあ… ■まとめ■ 個人的な嗜好が入りますが、このライトは「買い」です。 値段も安く、Arc-LSより明るく、ランタイムも長い。Luxeonロードーム+リフレクタの配光も面白いです。 欠点は色合いのギャンブル性と大きさだけ。マニアな方なら他にArc-LSなんかを持ってるのでそれほど必要性は 無いと思いますが、Luxeonを使ったライトで明るく安いものを求めるならこのライト、かなりいいです。 色合いだけはイマイチでしたが、個人的にはかなり満足です。値段が安い(5,000〜7,000円程度)のが一番大きいですね。 同等品が他社から出ればさらに安くなりそうですし。 (03-06-25) やはりGENTOSからパトリオスーパーSL-53Pという同一OEM品が出てきました。 見た目は違いますが性能は同じだと思います。しかも現在の最安値が2,980円!Streamlightが高いというよりも、 GENTOSがよくやったという感じです。まさかXB-60と同じ値段になるとは… 他に違う部分はヘッドが簡単に開けられるか開けられないかの違いでしょうね。値段的にはGENTOS品を推します。 (03-07-05追記) OEM元についてちょっとあやふやなので濁します^^; GENTOSのOEM元についてはSF-101のレビューのこの辺りを参照していただくとして、 StreamlightのOEM元については確証した情報が今のところ無いので、GENTOSとの販売価格差から推測してとりあえずNUWAIかなってことで。 (04-01-06修正)