レビューに使用したSF-101はカネデンさん からご提供いただきました。ありがとうございます。 今回SF-101とSF-105のカップリングでレビューを書いてみます。 どちらもリフレクタの径は同じ、使っているLuxeonも基本的に同じ、違うのはバッテリー数だけなので 単純にランタイムが長いか短いかだけの違いしかありません。ですのでSF-101のレビューを 基準とし、SF-105についてはおまけという感じで書いてあります。 LowDomeの新旧 上で「使っているLuxeonも基本的に同じ」と書きましたが、SF-1xxシリーズに使われているLuxeonのLowDome(Batwing) には旧工程で作られたものと新工程で作られたものが存在し、現在それが混在して搭載され売られている状況です。 少なくともネット上で報告の上がっているものではSF-101にその状況が当てはまります(他のものはわかりません)。 新旧では"発光素子"の製造工程が異なっており、新型はHighDomeとおそらく同じ工程にすることで(発光素子の形状はHighDomeと同じです) 旧型に比べて品質がより安定するようになりました。大まかに言えば新型は白っぽく明るい光(というかLumileds基準でハズレではない光)の Luxeonが製造される確率が上がっており、旧型では今まで通り完全ランダムという感じだと思います。 この工程の変移は少なくとも日本のマニアには受け入れられるものだったのですが、SF-101に新型LDを搭載する場合には 少し問題点が発生してしまいました。 SF-101等のSFシリーズに採用されているU字型の深く長い特殊リフレクタは、旧型のLDしか存在しなかった時代に その特性に合わせて開発されたものと思われます。従って旧型のLDと合わせた場合にはけっこう綺麗なパターンを描くのですが、 発光素子の形状が新旧で異なったためか新型LDでは微妙に発光の性格が変わってしまい、新型のLDとこのリフレクタを 合わせた場合にはそのパターンにかなり目立つ黒いリング状のダークスポットが出現するようになってしまいました。 新型LDとの組み合わせでは他にもスポット具合がより増していたりしますし、ここまで異なるともはや別のライトと言っても 過言ではないので、購入する場合には注意して買わないといけないかもしれません。 (なお蛇足ですが、新型LDはFraenLPや30mmコリメータとの組み合わせでもバームクーヘン状のムラのあるパターンになります。 唯一NX05との組み合わせでまともなパターンになるので、新型LD専用のリフレクタが開発されない限りはNX05との組み合わせがベストかと…。) では新旧Luxeonの見分け方はというと比較的簡単です。 発光素子(中心の黄色い部分)の形状が旧型なら"●"、新型なら"■"です。 SF-101の場合、照射パターンが変でも白っぽい光が欲しいなら 新型LDが使われているものを選べば望みのものに当たる確率は高く、逆に光の色合いは完全なギャンブルでもいいから 照射パターンは綺麗なものが欲しいというのであれば旧型LDが使われているものを選べばだいたいOKです。 もっとも、新型の方を選べば100%真っ白い光だという保証が無いことはご了承ください。 以下、自分の持っているものではSF-101が新型LD、SF-105が旧型LDとなっており、それに基づいてのレビューになります。 SF-101 (新LD) GENTOS SFシリーズの中で最も人気が高そうなものがSF-101です。 単4×3仕様なのでアルカリやNiMHが使え、リフレクタ集光にすることで比較的遠くまで照らし、 それでいて比較的コンパクト、そして多くの店で2,980円という低価格で売られているという 状況では当然のことなのかもしれません。 実際その実売価格から考えたコストパフォーマンスは極めて高く、リング状のダークスポット (もはやムラとかで誤魔化されるものでは無く完全なリング状の闇です)があるにしても 肝心の中心部はしっかり綺麗なスポットになるため、Arc-LS等NX-05コリメータによる集光よりも 若干ながら遠くまで光が飛びます。そして何よりもこの光の白さが素晴らしく、白さに関しては自分の持っている1W の中でもトップを争うくらいです。白い光はアウトドアの使用ではどちらかと言えば黄色い光よりも暗く感じる ことが多くなりがちなのですが、少し前まではこの白い光に到達しようと何本も同じライトを買い替える生粋の ライトマニアが存在していたことを考えるとLuxeonの進化のスピードの早さを感じずにはいられません。 こんな低価格のLuxeonライトでこれほどに真っ白な光を味わえるとは思っていませんでした^^; ただ照射の性格はかなりスポットな照射になります。リフレクタ集光がとても効率よく行われているせいなのか、 中心の周りに広がる周辺光に乏しく人によっては使いづらく感じるかもしれません。 通常リフレクタで集光する場合、光源に対するリフレクタの径が大きければ大きい ほどよりスポットな照射になっていきますので、もう少し中心付近の明るさが広い方がいいなあという人は リフレクタ径の小さいSL-53Pの方が合っているように思います(上の写真のTask-Light 3AA Luxeonと照射パターンは同じです)。 また、上で少し書きましたが新LDとこのリフレクタとの組み合わせでできる"リング状の黒い輪っか"は かなり目立ちます。壁などを照らすと目玉のように見えてしょうがないです^^; 当然この黒い輪っかは 照射距離が遠くなるにつれて徐々に拡大していきますので気になる人にはもの凄く気になるところでしょう。 一応、ヘッドが外せるもの(混在の可能性アリ)であればヘッド部分を緩めることで疑似フォーカス調節が可能と なり照射パターンの改善に少しは役立ちます。メーカー想定外の 使用法なのでアレですが、1周ばかり緩めれば黒い輪っかは目立たなくなります(ムラ状になります^^;)し、 その状態でもヘッドがOリングの上にあるところで止まりますのでヘッドがぐらつくこともありません。 その代わり中心照度が多少犠牲になるのが痛し痒しといったところですが… ボディの質感や持った感じは割と良く、テール部分に付いたストラップとともに気軽に持ち出せる ハンディライトとしては十分合格です。ただ、スイッチはSFシリーズ共通のようで、プッシュ式の スイッチを押す→指を離してから点灯という間欠点灯できないタイプのものです。押し応えも少し固め なので持ち運びの際の誤点灯防止にはそれなりに効果ありそうな気がするんですが、この点灯方式に 馴染めない人もいるかもしれません。少し固めの方が押した感触がしっかり得られて個人的には割と好みなんですが、 間欠点灯できないのが不便に思えるシチュエーションも少なからずあったりするので微妙なところです。 なお、このSF-101には低価格なのにしっかりDCコンが入っておりその効果がランタイムに現れています。 とにかく照度を一定に保とうと頑張ってくれて、特にNiMHで運用した場合にはけっこう長い時間最高照度付近を 保つため、時間の経過とともにだらだらと暗くなっていくライトが嫌いな人にとってはなかなか好感の持てる ランタイムグラフだと思います。アルカリでさえも1時間ほどはその恩恵が受けられるのはご立派。 しかし少々気になるのがヘッド周りの温度上昇があまりに小さすぎる点で、もしかすると十分な放熱が 行われていないのかもしれません。これについて Silverさんに伺ったところ、 同じGENTOSのSL-53PでLuxeonのヒートシンク部分がうまく密着していなかったことがあったそうなのでその可能性は十分考えられます。 バラして再接着の必要があるかもしれません。この辺りは値段相応の造りというのがちらほら見えますね^^; SF-101は値段から考える総合的な満足度としては非常に高いと言えます。 後は細かい部分にどれだけ妥協できるかといったところ。 個人的にはちょっと照射がスポット過ぎて散歩には使いづらく、他にかぶるライトをいくつも持ってますので後一歩な感じです^^; でも気軽に扱えるコンパクト系Luxeonライトとしてはなかなか嬉しい存在だと思います。 それにしてもライトの世界の日進月歩は早いもので、一昔前の高級Luxeonライトの性能が 低価格帯で実現されてしまう世の中になってしまうとは…。技術の進歩万歳です。 SF-105 (旧LD) 自分はオークションで当時4200円で購入しました。今だと3980円辺りが多いですね。 SF-105は簡単に言ってしまえばSF-101が3AAAというバッテリーを2セット積んだものと思っていいです。 バッテリー接続は3AAA*2の6AAA駆動ですが、3AAAでも駆動します。そのため測ってはいませんがおそらくは SF-101の2倍のランタイムを持つはずです。 自分のものは旧LDで、元々旧LD用に開発されたと思われるリフレクタとの組み合わせなので照射パターンは 綺麗ですが、照射の性格はやはりスポットになります。ただやっぱり低価格帯で提供される旧LDだけあって色合いは イマイチで、スポットの中心は微妙に白っぽく周りは黄色(というか山吹色)というものだったんですが、 旧LDを使用している以上、全周に渡って真に真っ白というものは無いような気がするのでこの色合いが普通 なんでしょうね(自分が今まで見たものでは旧LDである限りどの光学系との組み合わせでも必ず周囲に黄色が出てきます) ボディは6AAAを納めるためにSF-101の太さのまま全長が長く、取り回しに少し持て余すかもしれません (ボディの太さはSF-101よりも若干太いです。SF-101:約2.9cm、SF-105:約3cm)。 なお、自分のSF-105のヘッドは外れませんでした。かなり強く接着してあるようです。これも外れるものと外れないものが混在している ような気がします。 しかしなんというかSF-105の存在意義がイマイチよくわかりません^^; 長いランタイムを求めるなら単2を使った SF-107がありますし・・・。自分は6AAA直列に改造して5Wダイレクトドライブのベースにしようと買ってみた(頓挫中)のですが、 それくらいしか使い道が思い浮かばないです。6本もの電池をやりくりするのはけっこう面倒ですし、 面倒だからといって3AAAで使うならSF-101がありますのでかなり微妙な存在に思えます。 最後に 現在GENTOSから安価なLuxeonライトとしてSFシリーズが発売されており、その実売価格からは想像できない性能で 人気を呼びました。確かに厳密に見れば値段なりの造りなのかもしれませんが、一般的な使用ではそれほど 不自由しませんし、単純に性能だけ見ればコストパフォーマンスはずば抜けて高く、 全てはこの実売価格が許せてしまう感じです。多くを求めなければ十分満足できるんじゃないでしょうか。 なおどうでもいいことですが、GENTOSは輸入販売を行っているサンジェルマンのブランド名の一つであり、 仕入れ先はカタログによると Favour Light からだという情報を2chで教えていただきました。今までwebサイト上の製品ラインナップからGENTOSライトのOEM元は NUWAIと自分は判断してきたのですが、 その判断は間違っていたようです^^; ちなみにNUWAIの会社プロフィールには「輸出業者」としかなく、FavorLightのプロフィールには生産する工場の記述まで あるのでFavorLightがこれらライトの生産メーカーなんでしょうね(教えてくださった方感謝です)。 しかしNUWAIの方が全然製品情報に詳しいのはどういうことなんでしょうか^^; どっちにしろ今後の発展を素直に応援したくなるメーカーです。 (04-01-07) SF-105のボディ太さについて修正しました。 (04-01-13修正)