Silverさんが一時的に配布されたキットを元に組み上げたもので、modとなります。 Silverさんのサイトで製作工程が紹介されています。 Luxeon5Wのダイレクトドライブを体験してしまった身では、明るさに関してはそこらのライトでは物足りなくなってしまい、 いつしかHIDのハンディライトが欲しいと思うようになりました。しかしこのHIDのハンディライトというのは市販品では手が出ないほど高いか、 またはUKライトキャノン100しかありません。ライトキャノン100は手頃な値段で買える一方、単2×8というライト本体の 大きさがネックでなかなか踏み切れずにいました。もっとも要求に近そうな物を開発している スズエ製作所はいつまで待っても進展がないし・・・。 となればHIDマグの先駆者 HARIUさんのサイトを 参考に自作というのも考えたのですが、ヘタレな自分にはこれまたなかなか踏ん切りが付きませんでした。 まあスズエ待ちということで自分の中で納得させていたのですが、そんな中にSilverさんが突如として発表されたmodがこれです。 今までのHIDハンディライトからしたら考えられないくらいにコンパクト! キットも一時的に配布するとのことですぐに飛びついてしまいました(配布は終了していますのでSilverさんへの問い合わせは ほどほどに^^;)。なおHIDのバーナーとバラストは ユニティ・エフで仕入れました。 ■本体■ とにかくコンパクト!マグ2Dと比べてみれば非常にコンパクトなことがわかります。今までいろんなHIDハンディライトを 物色してきた自分には考えられない大きさです。この大きさの実現には Silverさん作のMiniMini-5Wと同様にテールへのスイッチ移植が 功を奏しているんでしょうね。スイッチもバージョンが上がってテール面とツライチになっており、ほぼ完璧な誤点灯防止に なっています。使い勝手も悪くありません。また、MiniMini-5Wではそのあまりのコンパクトさに持ちづらい面もあったのですが、 このMini-HIDでは握ってちょうど手がボディに収まるくらいの大きさで持ちやすさと携行性を両立しています。 非常に気に入りました。 ■明るさ・照射パターン・色合い■ HID初体験でしたがこれは明るいですね!点灯してから光が安定するまでに少々待たなければいけないのですが、 安定した時の明るさは凄いです。Luxeonの明るさともまた違う種類の明るさというか。 このmodはDマグのリフレクタと組み合わされており、そこから生み出される光は超スポットになります(スポット時)。 周辺に漏れる光でそれほどスポットということを感じさせないのですが、真っ暗な場所で光を見るとまるでレーザーの ように一本の光の筋がライトから放たれているのが確認できます。この時の中心照度は45cm計測時で110,000Luxを超えました。 シュア9PやMEGACLOPSが同条件下で25,000Lux程度でしたので恐るべき集光具合です。レーザーのように飛んでいく 光は100m先の対象物でも確実に照らし、なおかつただ光が当たっているという状態ではなく自分の好きな場所を狙って ピンポイントで照らすことができます。 実はシュアの9PやMEGACLOPSなんかでは 50〜60mを超えた辺りからスポットの光が拡散してしまい、対象物を狙うにもたぶんこの辺りが中心だろうとほとんど勘で 写真撮影をすることになるのですが、その結果、中心から外れた「どこを狙っているんだ?」という写真が撮れて しまうことがありました。この点Mini-HIDはワイド目のレーザーのようで写真撮影はかなり楽です^^; また、上の比較写真では直線100mしか確保できず、しかも対象物の選択が イマイチだったのでその凄さはあまり伝わらないかもしれませんが、遠距離照射能力はかなり高いです。 Silverさんのところへ上がってきた報告では400m届いたというのもあったそうで、いったいどこまで届くのか興味津々です。 誰かこれ持ってる方でいい場所が近くにある方はぜひ試して欲しいですね。条件の合ういい場所をさんざん探しましたが 100mが限界でした。 なお、これはフォーカス調節によってワイド方向へ振れば、Dマグリフレクタ特有のダークスポットが出るにしろもっと広範囲を 照らせるようにもなります。まさに至れり尽くせりです。 そしてHIDの光の色。これには見とれてしまいました。これを見るためだけに意味もなく点灯しちゃったりします^^; 色合いは薄い青みがかった白色光でLuxeonの白色光とは明らかに違い、部屋の中で点灯すれば壁に反射して部屋全体を光が覆い、 まるで水の中にいるような感じに浸れます。まあ自分のよく分からない表現は置いといて、最後に照射パターン。 Dマグリフレクタのつるつるをモロに反映してか、一部光の途切れる部分が出ます。使っている分には気になりませんが、 つるつるのおかげであそこまで集光できるわけですしそれくらいは目をつぶりましょう^^; ■バッテリーと発熱■ バッテリーは唯一の不満点です。リチウムだからこそこのコンパクトさを実現できたのは頭ではわかってはいるんですが、 それでもやっぱりCR123A*4は痛いです^^; またDマグのリフレクタは 金属製では無いため、HID連続点灯時の発熱で変形やメッキ剥離の可能性があります。 真っ暗闇の中で消灯して覗き込むと、消灯直後のバーナーの中心部がまるでフィラメントのように真っ赤に輝いているのが 確認できます。発熱は凄そうです。 とりあえず5分間ほど連続点灯してみて 問題は出ませんでしたが、こんなに素晴らしいライトをおそるおそる使うのは悲しいものがあります。 以上の理由でランタイムテストは断念。 Silverさんがヘッドを外した状態でテストして約80分といったところだそうですのでそれを参考に・・・ また、このmodはギリギリのサイズを追い求めて作られたそうで、バッテリーケースにバッテリーを入れる余裕も 実はギリギリです。国産CR123Aで合わせてあるそうなので、海外製のものだと収めるのに少し苦労しました (DURACELLは微妙に辛かった)。この辺りは自分のものより後のバージョンでは改善されているかも しれませんが念のため。 ■HIDの注意点■ HIDは使うのにいろいろ注意点があるようです。実際はどうなるのかわかりませんが、バーナーを少しでも長く 持たせるために以下の「おまじない」を守った方が良さそうです。 ・上向き照射は控える。 ・ON-OFFを短時間に繰り返さない。 ・ONにしても点かなかった場合はとりあえずOFFにする。ONにしたままにしない。 ・バッテリーが空になりかけて照射が不安定になり始めたらOFFにしてバッテリー交換。無理に使わない。 ■最後に■ Mini-HIDはその小さなボディからは想像もできないほどの光を放つ、現在世界最小のHIDハンディライトだと思います。 日本でのキット配布も大好評だったのですが、遠く海外でもこのライトは数多くの人を魅了し、CPFメンバーの ufokillerzさんによる海外での完成品配布も大好評のうちに終わりました。それを受けての第2弾配布として また完成品の限定配布も行われたのですが、これにはSilverさん、CPFメンバーのufokillerzさん、OTOKOYAMAさんという 蒼々たる顔ぶれの力の結集によって実現され、日本の取り置き分には注文が殺到しあっという間に配布終了してしまいました。というのもその完成品の スペックを見れば納得です。バラスト10V仕様(自分のは12Vです)、PerfectMagRef OrangePeel (OTOKOYAMAさん作製のまさにパーフェクトなC・Dマグ用リフレクタ。アルミ製、凸凹によるスムーズなパターン、集光具合もあまり落ちない)、 FlashlightLens.comのUCLレンズと現在考え得る最強のパーツ群・耐熱仕様で構成されており、なおかつ若干の オーバードライブ化されています。本音言えば自分もここまで待ってれば良かった^^; (※念のため再度書きますが、配布は現在終了しています) ライト自体もの凄く良くできているのですが、海を越えてそれを取り巻くいろいろな人たちが 純真な気持ちで協力し合っていく姿を見ることができ、とても気持ちの良いmodでした。 これはあくまでSilverさんの趣味の延長で作られたものを氏のご厚意で配布されているものなので広く一般の手に渡る ことはありませんし、ごく狭い世界でのごく短期間のことでしたが、このmodに対する反響というものをライトメーカーは 認識し、魅力的なHID製品の開発にぜひ繋げて欲しいものです。 (03-10-10) ランタイムテストを追加しました。 フリッカーが出始めてからしばらく粘ったものの、結局怖くなってやめました^^; 結構持つ印象でしたが、それでもCR123A*4はやはり辛い・・・ (04-09-29 追記)