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ArcMania&Lambda MicroIlluminator (プロトタイプモデル)

本体写真

▼9.7cm
▼ヘッド部はLS3のレンズ部分とほぼ同じ太さ
▼テール部はAAA LEとほぼ同じ太さ

▼LS3,LE,ソリテールもどき,MicroIlluminator
▼XB-60とMicroIlluminator


▼前面
▼ヘッド中身。レンズ部を外すと固定されない
▼簡単に取り出せる

▼メイン部分。小さい!
▼これ以上自分は手が出せません
▼固められていて基盤見えません

▼テールスイッチ。回すと誤動作防止ロック
 ※ロックはある物と無い物があるようです

▼バッテリーは単4*1!


▼放熱用と思われる薄い銅板。ヘッド側から
▼テール側から
▼全景

照射比較その1 [室内約1.2m、シャッタースピード1/4]
※写真をクリックすると拡大します
※MI = MicroIlluminator(プロトタイプ)

▼MI vs Arc-AAA LE
▼MI vs XB-60@スタミナLED移植
▼MI vs Arc-LS1 Hybrid 500mA

照射比較その2 [屋外約1.5m、シャッタースピード1/2]
※写真をクリックすると拡大します

▼Micro Illuminator
▼XB-60@スタミナLED移植
▼Arc-LS3

ランタイムテスト ※グラフをクリックすると詳細ページを別窓に開きます


照射写真 ※写真をクリックすると該当距離の照射比較ページを別窓に開きます

▼室内1m

▼屋外5m

▼屋外10m

▼屋外20m




(これはプロトタイプ品であり、正式版と違う可能性があります)

CPFの自作改造ライトの分野で活躍するArcMania氏とLambda氏によるmodです。
現在まだプロトタイプ品の段階のものを手に入れました。

このライトの特徴はなんと言っても1WのLuxeon-side emittingを単4電池1本で駆動させることです。 その分Arc-LS等に比べて明るさが犠牲になっていますが、小型で明るくて経済的、という自分の理想のライトへの 第一歩というものを十二分に予感させてくれます。

以下順を追って見ていきます。

■大きさ■

現在、自分はキーホルダーにArc-AAA LEかArc-LS3を付けています。 ポケットにキーを入れるので、ふくらみが気になる時はArc-AAA LE、気にならない時はArc-LS3と使い分けています。 LS3の明るさには満足しているのですが、その太さはけっこうあるのでいつもキーホルダーに付けておくわけには 行かないのが現状です。ですので、かなり明るさは落ちても小さいArc-AAA LEを付ける事が多かったりします。 そこへ2つのいいとこどりのこのライトですので期待は膨らみました。

手に入れてからポケットに入れていろいろと持ち歩いてみました。 径が細いのでズボンのポケットに入れてもそれほどかさばらないです。 ですがそれはポケットの中で縦に収まっている時です。横になるとどうしても突っ張った感じになりました。 個人的にはズボンのポケットに収まるギリギリのサイズで100円ライターの長さ(≒約8cm≒ソリテール)かと。

また、ベースになっているLEGEND-AAAにはキーリングやストラップなんかを付ける穴がありません。 そもそもキーホルダーライトにはならないのです。いいものがないかと探していたところ、ArcManiaさんから キーリングに付ける専用のケースを検討中、ということを聞きました。もしできるなら手に入れてみたいと思います。 キーホルダーとしてはまだ持ち歩いてはいないので、実際にキーと一緒に持ち歩いたらどうなるかわかりませんから…

なお、径が細くて適度な長さでしかも軽いため、Yシャツなんかの胸ポケットには最適です。 ちょうどペンライトのような感覚です。クリップが欲しくなりました。

■明るさ■

明るさ的には見てのとおりです。
Arc-LSには及びませんが、6LEDのXB-60に迫る物があると思います。事実、中心照度は照度計で測る限り ほぼ同じ程度の値を叩き出しました。これはこの大きさ、単4電池では凄いことだと思います。 ただ見た目の明るさ感ではXB-60にさすがに負けます。 中心付近の照度は同じでも、XB-60ではその照度の範囲が違います。XB-60が全体的に明るいのに対し、 MicroIlluminatorはスポット的で中心部から円心状にだんだんと暗くなっていきます。 明るさは全然違いますが、Arc-LS1とLSHの明るさ感の違いのような感じを受けました。

とまあ、XB-60という土俵が全然違うライトを比べるのもおかしなものですが、つい比べてしまうポテンシャルの高さが このライトにはあると思います。あの大きさがこのサイズに、といった印象を受けました。
ただ最後に色合いについて一言だけ。黄色っぽいです。人によっては気になる色かもしれません。

■ランタイム■

実はすぐレビューをしなかったのには訳があります。それはこの項目です。 たとえどんなに明るくてもすぐに暗くなってしまっては実用性がありません。それを見極めるためにランタイムテストを 何回か行いました。こちらに一つの結果があります。現段階で出せるのはアルカリ電池だけです。

見てわかるように、点灯後2時間25分でようやくArc-AAA LEの電池新品時の明るさに達しました。 その後もまだ点灯を続け4時間でこちらがギブアップです。同じ電源でこの明るさをここまで引っ張れるとは素晴らしいの一言。 また発熱がほとんど抑えられているのも凄いです。

なお、製作者様推奨のアルカリ電池は日本製ならパナソニック、アメリカ製ではEnergizerだそうです。 ということは他のメーカー、とりわけ100円ショップの電池ならどうか?自分がよく使う電池なので気になり計測しました。 しかしこれについてはどうも良好な結果は得られませんでした。「明るい時間」がパナソニックの半分といった感じです。 これは単に100円ショップのアルカリ電池が本当にアルカリ?という点が大きいと思いますので参考と言うことで^^;

その後、ニッケル水素電池での計測も1度だけ行いました。また正式にテストするつもりですが、試験的に計測した 結果では面白いものが出ました。
Arc-LS1のランタイムテストでも思ったのですが、ニッケル水素電池をLuxeonのライトで使うと一定の明るさをなるべく 保とうという動きが見られるんでしょうか?それに近い動きです。アルカリではだんだんと暗くなって行ってますが、 ニッケル水素電池では「明るい時間」をより長くしようと頑張って、その後急激に暗くなる、というグラフを描いてます。 個人的にはこのライトはニッケル水素電池で使うと良さそうな感じです。

■一言■

総括して正直な感想を一つ書くと、あともう少し長さが短ければ・・・とそこだけが惜しく思いました。 これはベースになっているLEGENDのテールスイッチ部分の長さが長いせいです。そこだけで1.4cmもあるので、 この分がもし無くなれば現状の小さめキーホルダーライトの決定版になったのになあ…。 径が細くて軽いだけにちょっと残念です。

さて最後にどうしようもない妄想を一つ。
このライトをいろいろ使ってたら頭から離れなくなったことが一つあります。 このライトの単4電池1本でLuxeonを点灯させるというコンセプトは素晴らしいです。 明るさも割とあり、遠距離もそこそこ照らせ、何より経済的でしかも本体がコンパクトになるからです。 ですが、やはりLuxeonと言えばArc-LSの明るさが思い浮かんでしまうのです。 ですので、最良は単4電池1本でなく、2本にするべきだと思いました。単4電池を2本"="の配置にして 長さを8cmまでに抑え、ライトのメイン部分は今回と同じような方式ならばそれこそもの凄いライトになるのでは、と。 ただこれはベースのライトが無いですね。ライト本体から作ってくれないかなあ^^; 実現できれば本気で欲しいんですが…。いやほんとに。

(03-03-06)

▼ガラス製レンズとリング
▼リングはテール部に取り付け
▼とりあえずキーホルダー化
追加でパーツが送られて来ましたので画像を追加です。 これでキーホルダー化できる!
リングは薄型のため、しっかりテール部のパッキンの下に潜り込ませることができます。 ガラス製のレンズはお手軽交換で。外してみて元のプラスチックレンズの安っぽさがよくわかりました。

追加でもうひとつ。 スイッチのせいなのか点灯するたびに明るい時も暗い時もあり、妙に明るさが不安定です。

bonさんに教えていただいたので、パーツクリーナーでクリーニングし、シリコングリスを塗り、なおかつ 個人的に気になったのでヘッド裏の接点をヤスリで削って地金を出し、さらに金属接点部全てに接点導通剤の シルバーコンタクトペンを塗りました。 ここまでして今の所安定化していますが、今ひとつ信頼性に乏しい気がします。製品版では改良して欲しい点です。

(03-03-28)



光が安定しないというフリッカーの問題について、ArcMania氏から事情を聞けましたので追記します。 これはベースとなっている1AAA Legendのテールスイッチ構造の問題のようです。 製品化に伴い、LegendのメーカーであるBrinkmannに申し入れを行っており、解決への道は開けてそうです。 また、製品版では搭載されるLuxeonもbin#Q4Gのものになり、自分のはbin#P2Hなので、ずっと白く明るいと予想されます。 さらにメインの"Pill"は放熱効果その他を考えて、自分のように取り外すことはできなくなると思います。

製品版の方がかなり良さそうですね・・・・当たり前ですが。

(03-03-31)



ArcMani氏からさらに詳しく光が安定しないという問題について聞けましたので追記します。
これは主に解決法です(上の追記に間違ってそうな記述があるので消しました)


パーツをばらした状態です。
以下ArcMania氏から教えていただいたことです。

・「どんな種類の潤滑剤(シリコングリス等と思われる)」も次の箇所に加えてはいけません。
No.1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12 つまり全部。 ただし、No.2(ナット)を時計回りに回すと外れるが、その内部に「導電性のグリース」を加えることはいいかもしれない。 これらを守らないと問題をさらに悪化させる恐れがある。

・グリースを塗っていいのはテールスイッチキャップ側のO-リングだけ。

・もしも接触を良くしたいと思うのなら、No.3と6を小さなワイヤーホイール、小さなワイヤーブラシ、または細かい目のサンド ペーパーを使ってクリーニングすること。

また、"Pill"が本体と分離することは良くないそうで、本体とPillをエポキシで固めてしまうか、または簡単な方法では "Pill"にダメージを負わせない程度にきつくヘッドを締めること、だそうです。

クリーニングのみに徹した結果は良好です。
今まではスイッチを離した時に光の量が落ちるような感じでしたが、落ちません。明らかに前より安定しています。 その上新しいLegendボディを送ってくれたそうで、ArcMania氏には感謝しています。

(03-04-02)



さらなる詳細をArcMania氏に教えていただきました。感謝です。
また、追記にはsouyouさんに多大な助力をいただきました。非常に助かりました。感謝感謝です。


・グリスと潤滑剤について(抜粋)

市場に出回っているグリスのほとんどが非電導性のもので、非電導性のグリスが「致命的な箇所」(塗ってはいけない 部分)に塗られた時、電流は100%迷走してしまい、完全なまたは一時的な故障の原因になります。 (電導性のグリスは必ずパッケージに表示があるので区別できます) 非電導性のグリスを使用すると、MicroIlluminatorの場合フリッカーの問題を引き起こし、最悪Pillにダメージを与えます。

また、ケーブル、ワイヤー、プラグや電気コードはすべてテフロン、シリコン、プラスチック、ABSやゴムといった絶縁体を 使用していて(外側の被覆)、ゴムは高電圧用のワイヤーやケーブルに使われているということを覚えておかなければなり ません。シリコンで絶縁されたワイヤーの一例は車やバイクのエンジンのイグニッションコイルからスパークプラグへと走る ものです。もしプラスチックが使用されると、高い電圧のために、ワイヤーの周りに放電(高電圧の漏れ)するでしょう。 このためシリコンやゴムが必ず致命的な個所に使われます。これらはグリスにも使用されます。

ここにo-ringを含むプラスチックやアノダイズド処理のライトに危害を与えるかもしれない最悪な種類の潤滑剤とグリスの 例をあげます。(これらはすべて非電導性です。)
CRC-556, WD-40, molydenum, teflon, ky-jelly, PTFE, vaseline, petroleum, ceramic, castor oil, ect.
もっとたくさんのものがあります。

目的に応じて潤滑剤やグリスを選ぶ際にとても役に立つと思うのでこれを心に留めておいてください。


・AAA Legendのスイッチについて

まず最初に書いておかなければならないのは、このLegendのスイッチによる問題についてはある程度知られた ことだと言うことです。販売に際して、ArcMania氏とLambda氏でスイッチ部分を分解し、一つにつき15〜20分 をけて徹底的なクリーニングが行われた後に販売されます。

Brinkmannに申し入れを行った件について、Brinkmannの営業部長から返答が来たそうです。 内容はArcMania氏からすでに教えていただいた上の追記と同じことを教えられたそうです(クリーニング)。 確かに自分のもクリーニングに徹しただけでフリッカーの問題は完治しました。

(新しいLegendボディを送っていただきましたが、自分にはもはやいただく理由が無いので返送するつもりです)

なお、ライトを点灯中にスイッチの上に指を置いたままにしていると、フリッカーの問題が起きやすいようです。 これはBrinkmannが言うには正常だそうです。 だからライトを点灯したらすぐに指を離してください、とのことです。

そしてもうひとつ。
MicroIlluminatorはAAA Legendのレンズホルダーとテールスイッチについては何も改造がされていないので、もし 調子がおかしかったりした場合、Brinkmannにその部分についてはクレームを付けることができます。 ただしBrinkmannに送りつけることは可能ですがそれでは送料が高くつくので、住所と故障内容を言って Brinkmannに新しいLegendを送ってもらうのが得策だそうです。一つくらいならいけるんじゃないかと。 もちろん決して改造ライトの話を出してはいけません。

(なおこれは善意のアドバイスであるので曲解しないでくださいね)


・なぜLegendなのか

凄く失礼な質問だと思います。気になったので聞いてしまいました。
そんな失礼な質問にも快く答えてくださったことに感謝します。

理由は使い勝手を考えてのものだそうです。 例えばミニマグはある意味ベースライトとしていいものがありますが、実際に使ってみると意外に滑りやすい。 ArcMania氏もミニマグを何度も手から滑り落とした経験があるそうです。 Legendは柄のところにラバーが巻いてあり、手から滑ることはまずありません。安価なライトからベースを選ぶと したら、Legendがベストのようです。

もちろんこれは個人がいろいろと考えてベースのライトを選定し、改造したものであるので、「こっちのライトの方が ベースにいいのでは?」というのはお門違いです。スイッチの問題を考慮してクリーニングにいくら労力を割こうとも、 それでもなお滑りにくく、扱いやすい方をとっただけのことです。


・価格について

様々なコストがかかってます。

1. Luxeon bin#Q4Gの調達コスト
2. Legend購入でBrinkmannから課せられるコスト(様々なものを合わせると、1本につき約1600円)
3. パーツの購入コスト(複数から仕入れられ、中には発送に高くて評判の良くないFedExのみという所もあるそうです)
4. ArcMania氏とLambda氏との間でやり取りされる送料
5. 税金
6. わずかな儲け(2人分)

よく$70に抑えてあるなあと思います。


・日本での販売について

日本での販売も予定されており、予価で9800円だそうです。販売方式についてはわかりませんでした。 ここで疑問が起こる人もいるかもしれません。$70と9800円?合いませんよね。 これはアメリカで完成したものを日本に輸入する形を取るためです。当然ながらアメリカ販売と違い、送料と関税、 消費税なんかがかかって来ます。


・DCコン(PCB)について

ご存じの人もいるかと思いますが、ArcMania氏の執念が詰まってます。
基盤上の一つの抵抗の大きさは、おおよそ0.3mm*0.3mm*0.3mmです。これを執念でハンダ付けしています。 神業としか思えません。これを仕事ではなく趣味で行っているため、当然ながら一度に多くは作れません。

なお、コンバーターのサイズは小さければ小さいほど高価になります。


追記としては例を見ない長さになってしまいました。 まとまりのないものになってしまいましたが、これでとりあえず追記を終わろうと思います。

今回メールをやり取りさせていただいて一番よくわかったのは、ArcMania氏の誠実さです。 とてもいい人で非常に好意を持ちました。 今後も意欲的なmod製作に向けて常に頑張っておられるようですので(新作もそのうち出るかも?)、今後の展開にも 目が離せません。

(03-04-06)





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