カトキチさんのmodです。 カトキチさんのサイトで詳しい情報が見れます。 ついこの間Nano-Mateを手に入れてから自分のキーホルダーの常駐ライトになっているのですが、 その際に思ったこととして、CR2を使えば同じくらいの大きさでもっと明るいものができないかな、ということでした。 Nano-Mateのヘッド径をそのまま寸胴にしたような・・・とその時はなんとなく想像してみたものでしたが、 カトキチさんは理想をそのまま現実にしてしまいました!あの時のレビューに書いたものそのまんまです。 このmodが発表された時はいろんな意味で衝撃が走り、自分を含めて欲しいという人もけっこういたりして話題になりましたが、 残念ながら「もう作らない」とのことですので製作依頼はしないようにお願いします。自分も借り物レビューです^^; ■ボディ、バッテリー■ Nano-Mateの全長よりやや短く、そしてヘッド径をそのまま寸胴にしたようなサイズです(まさにそのまま)^^; 体積的にはNano-Mateより大きいですが、まさか全長ではさらに小さくなるとは思ってなかったのでビックリでした。 リフレクタにはレンズが無くそのため実際には持ち歩けなかったので 想像でしかありませんが、Nano-Mateのヘッド径を許容できた自分にはおそらく持ち歩きに問題は無いはずで、そもそもこのサイズで3Vのリチウムを 使えているという現実だけでワクワクしてくるところがあります。 Arc-AA LuxeonはCR2を使います。元のArc-AAは単3電池仕様ですが、単3の径は約1.4cm、CR2の径は約1.5cm とそのままではCR2は入らないのでいろいろとボディに工夫が見られます。 内径は当然その分削ってあり、また、ヘッドねじ込み部分の内側のネジ山が単3電池の径 スレスレにまで出てきている(CR2をヘッド側から入れようとするとそのネジ山で止まってしまう)ためテール側を切断、 CR2をテール側から入れるように加工されています。テール部分の結合処理はこれがオリジナルと言われてもわからないくらいの出来で、 全体的に見てもこれをそのままArcが出しても違和感が全くないような、カトキチさんの「できる限りオリジナルの面影を残す」 というmodのコンセプトがよく伝わってくるモノになっています。なおヘッドの裏に見えるBB400を含め、CR2を入れると寸分の隙間無く全てが「みっちり」と詰まって いることがわかり、CR2を使ったLuxeonモノではいきなり最小っぽいです^^; なお、ボディにはArc-AA特有のテール部分が残されており、写真でしか分からなかったリングの使い勝手を少し知ることができましたが、 自分にはなぜあんな形状にしたのかちょっと不満に思いました。リングの一方を切り欠きに収めることでテール側での倒立を可能にしてあるのですが、 自動的に収まるようになっているわけではないので切り欠きの逆側へリングが逃げてじれったく思うこともありますし、もうちょっと何とかならなかったのかなあ というのが本音です。テールにある4mm強の意味のない"窪み"がもったいなく感じられ、この空間にならテールスイッチも入りますよと思わず 言いたくなりました。このmodでは他の部分があまりにぎっしり感いっぱいなので余計にこの部分だけそう感じます。 ■明るさ■ 実際に点灯してみると近距離付近を広範囲に明るく照らします。わかりやすく言えばNano-Mateを そのまま倍にしたような明るさでした。リフレクタが元のリフレクタ(のような部分)をポリッシュしたものなので あまりうまく集光できていないようですが、その代わりに中心付近の スポットの周りにできる本来薄明かりのはずの部分までけっこう 強い光になっています。遠距離照射は苦手な性格になっていますが、 キーチェーンライトということで使用シーンとしては近距離照射中心であることを考えれば 照射パターンはそれほど悪いものではなく、用途に見合った性格 だと思います。比較してみると5〜6LEDライト相当の明るさを持ちながら照射範囲はより広く、 夜道で足下を照らしながら歩く程度には十分な明るさでしたし、INOVA X5クラスのLEDライトを キーホルダーに付けて常に持ち歩けると考えるとまた違った感動が生まれてきます。 ただ欲を言えば、カトキチさんのコンセプトからは外れてしまいますがコリメータ集光でArc-LSHをこのサイズにまで ダウンサイズというのを期待してしまいますね^^; Nano-Mateの時はLuxeonをアンダードライブしたものなので 元々控えめな明るさになっており、それだったらキャラクター通りの照射パターンをムリに集光させる必要はないだろうと 判断してターボヘッドは見送りました。しかしArc-AA Luxeonは1Wの性能をしっかり出せており、総光量的にはけっこう明るいんです。 広範囲に広がるこの明かりがもったいないと思ってしまう自分はやはり明るさを求めるマニアなのでした^^; ■ランタイム、発熱■ ランタイムテストを行いましたが、これだけみっちりした空間で CR2駆動させるわけなので、ランタイムがどうこう言うよりも 熱で壊れやしないかドキドキでした^^; 点灯開始から温度は急上昇を続け、 最高で70℃近くをマーク。なんとか今回は最後まで乗り切ったようですが、心臓にあまりよろしくないです。 実際に手に持って連続点灯してみると10分くらいで けっこうやばそうな温度になって来ますので、普通ならそこで思わずOFFにしたくなります。 今回のテストは常に温度だけは監視しながらやってみましたが何度止めようと思ったことか・・・。 カトキチさんのGOサインが無ければたぶん中止してました。あえて鬼となってくれた生みの親に感謝です^^; CR123Aが公称容量1400mAhに対しCR2が750mAhとまるで単3と単4の関係のようで実際どれくらい持つのか 見当も付かなかったのですが、約1時間は連続点灯可能で思ったよりスタミナあるなあというのが正直な感想です。 CR2の価格は最安でも通販で198円とちょっと高めなのですが、 サイズとランタイムを両立させるにはなかなかいいバッテリーだと思いました。 ■最後に■ Arc-AA Luxeonは改造という行為で理想を現実にしてしまった凄いライトです。このサイズに仕上げたことも驚きましたが、 スタイル的には非常にバランス良くまとまっているのが特徴です。これ以外にはもう作らないというのは惜しい気がしますので、 いっそのことArcにこのmodをパクって欲しいなあとか不謹慎なことをつい思ってしまいます^^; このサイズであの明るさを得るにはCR2あってこそなのですが、確かにこの電池高いです。ですが、キーチェーンライトに使うなら CR2でもいいかなとも思ってます。というのは、自分が思うにキーホルダーに付けるライトは「常に身につけておけていざという時に あって良かった」的なものであり、用途としてはクルマの中での探し物とか家の鍵穴探し等、短時間点灯が主でかつ 使用頻度もそう多くはなく、結果としてバッテリーの交換サイクルもけっこう長期になることが多くなるからです。もし毎日長時間使うようであれば それ相応のライトを別に用意するだろうし、そこから考えれば長期保存性の高いリチウムの方が多少バッテリーの値段が高くても 返ってランニングコストは安くなるのでは、と最近思うようになりました。 もっともCR2の場合は他のライトとのバッテリー共有の問題や、価格の面、ランタイム、発熱等々、CR123Aに負けてる部分も多いので 難しいところではありますが…。 CR2を使った市販品が出ることは発熱の面でなかなか難しい気がしますので、このmodの影響からCR2を使ったミニマムLuxeon modが これから出てくることを勝手に楽しみにしております。 (03-11-04)