両方ともSilverさんが作られた modです。 細部は違いますが仕様的には同じものですので一緒に紹介してみます。 MadMax+1AA= MadMaxというDDコンがあります。 Dat2zips Sandwich Shoppeで購入できる ものですが、このDDコンは0.8Vから昇圧可能という他のBadBoyやWizard等には無い大きな特徴があります。 0.8Vと言えばアルカリ電池やNiMH1本でも余裕で駆動できる電圧ですが、自分はフラットなランタイムを描くBadBoyの方にばかり 目を取られてました^^; この今まであまり脚光を浴びたことの無かったDDコンを単3×1で駆動させたものが今回のmodです。 単3×2というものはあったと思うのですが、単3×1というのは思いも付きませんでした。 しかしArc-LS1を単3×1で使った場合にはやはり相応の暗さになってしまっていたので、 同じように単3×1で駆動できるということだけがメリットなのではと疑ってしまいます。 ところが実際にSilverさんの作られたmodを見てみると、不思議なことにArc-LSとほとんど遜色ない明るさです。 でもランタイムは期待できないでしょう、とデータを取ってみるとこれまた意外にも単3×2のArc-LSと遜色ありません・・・。 侮り難しMadMax!なのでした。 MadMax(以下MM)は無印モノだと電圧をポッドで調整可能なDDコンです。MM+だと出力が上がり、WideOpen(以下WO)だと 調整可能なポッドが省略されて最大出力固定です。以下、InfinityはMM+、Arc-AAはMM+WOで作っていただきました。 ただこのMM+1AAという組み合わせ、性能は素晴らしくともここまで仕上げるのは大変なようです・・・。 Infinity Luxeon 1w まず第1段です。比較的安価なInfinityをベースにMM+とLuxeon-1W 旧型LD(Batwing)bin#Q4H、そしてInfinityのヘッドに 収まるよう加工されたNX-05で集光しています。LuxeonはVf重視の妥当な選択ですが、コリメータは最初、より集光性の高い Fraen-LPでお願いするつもりでした。しかしどうもあれはNX-05よりももろい材質でできているようで、 さらにレンズ中央には穴が空いており、今回のmodのようにコリメータが露出する場合にはあまりよろしくない (傷が付きやすく穴にゴミが溜まりやすい)そうなので断念しました。 ベースのInfinity部分について触れておきます。自分のものは日本では珍しいアイスブルー色の Infinity Ultraがベースになってます。このInfinity、低価格帯に位置するものだけあって 正直あまり誉められた品質ではありません^^; 当初からナーリング(ギザギザ)部分の色が剥げており、 寸法にもけっこうなバラツキがあるようです。上の写真でコリメータが少し飛び出ていますが、 これはSilverさんの計算を超えたバラツキのせいで仕方なくこうなってしまったもので、この辺はベース部分の 善し悪しが出てきてしまいますね・・・。Infinityの点灯方式はサイズ的に有利になるヘッドねじ込み式です。 品質は確かにアレですが、ヘッド周りのナーリングが深いためによく指にかかり、ヘッドのツイストは非常に やりやすく使い勝手の面ではかなり良い印象を受けました。他にもテールでの倒立はできないながらもランヤード取り付け穴が あり、本体サイズもなかなかコンパクト、そして外装がけっこう厚くて丈夫な感じなので使い倒す向きにはけっこういいものだと思います。 ただ、ボディ部に刻まれたナーリング位置が微妙であまり滑り止めの機能を果たしていないような気がするのが 惜しいところ。時々つるっと行ってしまいます^^; また、サイズ的にけっこうギリギリに加工されているためか内部の飛び出しも若干あり、加えてOFFにしている時の 電池がたつき防止用の魚の目パッド(加工の際に貼っていただいてます)などでヘッドからの電池への圧力が増えたせいか、バッテリーケース内部マイナス接点 (突起になってます)がまるで針のようになり、マイナス側が真っ平らなNiMHだと使用するにつれて冗談抜きに電池に 穴が空いてしまいそうです^^; この突起(マイナス接点)の 高さにもバラツキがあると思いますが、自分のものはかつてのArc-LS P123バッテリーケースにあったのと同じような 問題を抱えてますのでいずれ少しだけ削りたいと思ってます。 ベースのボディ部分についていろいろ書きましたが、このmodの性能を見ればそういったボディの難点は全て吹き飛びます。本当に素晴らしいの一言です。 明るさは自分のArc-LS1 Hybrid 500mAにほんのわずか劣る程度の遜色ないもので、しかもランタイムまでもが同様です。 NiMHを使用すればほぼ最高照度をフラットに保つランタイムを2時間程度得られ、アルカリにすれば 照度の落ち込みが早いにしろ、Arc-AAA LE最高照度レベルの明るさになるまで数時間は持ちます。 その後の経過を見てもおそらく元のInfinity Ultraと遜色ないランタイムを叩き出しており(点灯だけなら24時間行けそう とのこと)、Arc-LSとInfinityの良いところだけを融合したようなもの凄いライトになってしまいました。 しかし安定してこの性能を出すまでにけっこう苦労されたようです。 MM系+2AA駆動では問題ないような接点接触が1AA駆動時には非常にシビアな問題として浮き上がり、接触の状態によっては いつまでもフリッカーに悩まされたり明るくならないなんてこともあるそうです。この点だけでも自分が知っている限り 2回改良が行われているので、残念ながら誰しもが簡単に作れるというものでも無いようです(そもそもコリメータの加工で つまづきそうですが^^;) Arc-AA Luxeon 1w Infinity 1wで十分満足していたのですが、今度はArc-AAのMM+Luxeon化に成功したということを聞き、 Infinityで唯一気になっていた外観的魅力においても完璧さを求める意味でSilverさんに作っていただきました^^; なおこのmodはSilverさんのアナウンスの後大変な反響を呼び、限定作製告知も一瞬で受付終了となりました。 自分を含め多くの人のツボにはまったようです。 InfinityをLDにしたのは集光性を強める意味があったのですが、あの明るさを見ると十分HDでも行けると思い、 今度は3W(HD-bin#TX1K)でお願いしてみることにしました(照射全体から見た場合、HD+NX05はLD+NX05よりもどちらかと言えば 散光したパターンになります)。Vfが少し高めなのが気にかかっていたのですが、 Illuminumさん がちょうど同じVfのLuxeonを使ったInfinity Luxeonのランタイムグラフを公開されてまして、それを見てVfがKでもランタイムは それほど落ちないと踏みました。自分の最終的な仕様はMM+WOとLuxeon-3w HD(Lambertian)bin#TX1K で駆動、 加工したNX-05により集光というものです。 ベースとなっているArc-AAについて少し書きます。Infinityよりもわずかに細くわずかに短いボディで、テールについた キーリングは収納方法によりテール倒立が可能になっています。外観はHA処理されたなかなか所有感のあるものですが、 品質的にはけっこう小傷のあるものも含まれていたようです^^; また自分のものだけなのかもしれませんが、 Oリングがけっこうキツキツで、Infinityに比べてナーリングが浅いこともありヘッドの回転がなかなかスムーズに できませんでした。これはbelyoさんが紹介されていたフッ素オイル105を塗ってなんとか許容範囲に落ち着きましたが、 個人的には防水性能が落ちてもいいのでもうちょっと軽めに回ってくれた方が嬉しいです。 なおボディはInfinityに輪をかけてギリギリのサイズとなるため、外装の最薄部はおそらく0.5mmを切っており、 わずかなミス一発でアウトという緊張感溢れる作業となったそうです。大変な作業お疲れさまです。 出来上がったmodを見てみるとこれまた凄い性能です。Infinity 1wとは違うパターンですが、いくら使ってみても まるでArc-LSを使っているような錯覚に陥り、本当にこれ単3電池1本なんですか?と聞きたくなります。 実際の照度はやはり3V駆動のモノよりも多少劣るのですが、それは比べてみればわかるという程度で実際の使用には 全くと言っていいほど支障がありません。これは使ってみると本当に感動できます。なお、自分のInfinity 1wとArc-AA 1w(自分のは3wです) はちょうどArc-LSLとLSHの関係となり、2本を真っ暗闇の屋外で使うと性格の違いがよくわかります。LD+NX05は HD+NX05よりもスポット的な照射になります。スポットというと語弊があるかもしれませんが、やや広めに中心付近へと全ての光が 集まっているような感じです。HD+NX05だと中心のスポットはぐっと狭まり、その代わりに中心に集まるはずだった光が 外へ広がった感じで、結果としてLD+NX05に比べるとけっこうワイドなパターンに思えます。Arc-LSの時もLかHかで 好みがはっきり分かれていましたが、実際かなり性格の異なるパターンなのでどちらがいいとは言えない所ですね。 さて、Infinity 1wもArc-AA 1wも単3電池仕様です。したがって様々な種類の電池を使うことができるわけで、 Arc-AA 1wのランタイムは4種類の電池で取ってみました。アルカリとNiMHについてはInfinityの時と同様に好ましい結果なんですが、 特筆すべきはフジ(大元はEnergizer)の単3形リチウムです。NiMHを使った時の良さと言えば最高照度付近を維持した フラットなランタイムなのですが、単3形リチウムはこの特性をそのまま踏襲しつつ最初の照度の落ち込みも少なく、さらにランタイムは約1.5倍近くあるという 凄いものになっています。また、NiMHは自然放電が激しいため保存性に劣るのが欠点なのですが、リチウムならばそれも クリアできます(なお単3形1.5VリチウムはCR123A等とは異なり保存年数は5年になってます)。入手性に難がありますが、大型カメラ店で 2本398円と割合安く、この性能ならば十分買いだと思います。GigaEnergyはイマイチ振るわなかったのですが、今後オキシライド電池が 登場したりしてさらに選択肢は増えますし、とにかく単3電池が使えるということは、電池の種類を変えることで 様々な用途に対応できる現状があるという点で非常に大きなメリットになります。毎日使いたければNiMHを使い、 非常用や極寒地に行く場合にはリチウム、長いランタイムが欲しければアルカリ等々。そして例え出先で電池が切れても 単3電池ならばほぼどこでも(もちろん海外でも)手に入るわけで、単3電池であることのメリットは計り知れません。 今までこの「用途に応じてバッテリーを替える」ということをArc-LSにおいてバッテリーケース交換という手法で実現していた のですが、これら2つのmodはバッテリーケースを交換することなくそれを実現してしまいました。これでもし暗ければ 平凡なものだったのかもしれませんが、これは単3電池1本なのにかなり明るく加えてランタイムも犠牲にしてない点が 凄いのです。 個人的にはコンパクトライト部門(範囲は適当ですが)ではこれら2つのmod(特にArc-AA 1w)にMVPを上げたい気分です。 Silverさんに感謝しつつ非常に気に入ってしまいました。Arc-AA 1wは残念ながら肝心のArc-AAが入手困難になってしまったため mod素材にすることも難しくなってしまったそうですが、いっそのこと本家Arcがこのmodを参考にして商品化しないもんですかね^^; Arc-AAはランタイムは長いけど大きさの割には暗い、なんて思っている人結構いるんじゃないんでしょうか? (04-02-18) Arc Flashlightが倒産してしまった現在、上記Arc-AA 1wは実質作成不可能となっています。 いろんな意味で残念です。 (04-09-29 追記)